コロナ禍で「結婚」「離婚」求める人たちの事情 未曾有の事態は生き方を見直すきっかけに

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社会が不安定になっている時に結婚したカップルは、すでに「危機を一緒に乗り切ろう」という思いが一致している。だからうまくいく。震災をきっかけにした結婚は「絆婚」と呼ばれていましたが、まさにそれです。

東日本大震災直後に結婚した30代半ばの看護師Aさん。彼女はちょっとぽっちゃりしていることを気にしていましたが、震災前から婚活を頑張っていました。ただ震災前は結婚に対する考えが漠然としすぎていました。お見合いしても趣味が合うか、話がスムーズに進んだかといった第一印象で判断し、交際したり断ったりを7~8人続けていました。

震災をきっかけに結婚観が変わった

それから約2カ月後に大地震が起きた。Aさんは震災をきっかけに自分を見つめ直し、結婚に何を求めるのかよく考え直したようです。以降は、漫然とお見合いをするのではなく、相手のライフスタイルや人生観、生き方の聞きこみをよくするようになりました。

そうして結婚した相手Bさんは工場勤務で年収は自分の7から8掛けぐらいしかありません。しかし、BさんはAさんが働き続けることに肯定的でサポートすることを約束してくれたし、2人とも勤務がシフト制なのでうまくやりくりすれば子育てを2人でできることもわかった。Aさんは震災をきっかけに「自分に大切なのはお金ではない」と気づいたんですね。今はお子さんが2人いてとても円満そうです。

婚活は、ただ結婚相手を見つけようと外に目を向けてばかりではなかなか成功しません。その前にまず自分の過去にさかのぼり、現在を見つめ、将来の生き方について深く考える必要がある。

お見合いでも相手の生き方や価値観についての質問をどんどんしていく。相手から解答をもらうことで、改めてまた自分の思いに気づくこともあるでしょう。相手が教科書。相手に向き合ってこそ結論が出ます。

弊社では、最初のカウンセリングを「ブランディングカウンセリング」と呼び、出身地から子どものころの習い事まで細かく聞き出します。話しているうちに本人もたくさんのことに気づきます。

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