コロナ不安で急増?鉄道人身事故が週30件超に 3月18日には1日7件も発生、JR神戸線で多発

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鉄道の人身事故は列車運行にも大きな影響を及ぼす(2016年6月、編集部撮影)

昨今の新型コロナウイルスの影響により、日経平均株価の乱高下や企業の倒産、内定取り消しなど、「コロナショック」による経済の混乱が深刻だ。

日経平均株価は19日には取引時間中に一時1万6358円と、1月から7000円以上値を下げた。また、帝国データバンクは3月23日13時時点で新型コロナウイルスの影響を受けた倒産が全国で12社あったと発表。厚生労働省の19日の会見では、コロナウイルスの影響による企業の内定取消は18日までに13社計21人になったことを伝えるなど、景気後退の兆しもすでに感じられる。

1週間で30件以上の人身事故

そんな現況を憂いてか、鉄道における人身事故が目立つ。例えば、3月16〜22日の1週間ではなんと30件以上発生、18日にはわずか1日で7件もの人身事故が起きた。その内訳は以下のとおりだ。

<3月18日:7件>
・8:08頃 総武線快速 津田沼–稲毛間
・11:15頃 京急本線 神奈川駅
・14:20頃 鹿児島本線 九産大前駅
・14:47頃 近鉄橿原線 九条–近鉄郡山間
・15:57頃 西武新宿線 下落合駅
・21:20頃 名鉄名古屋本線 本星崎–本笠寺間
・21:53頃 JR神戸線 神戸駅

また、JR神戸線では18~19日の2日間で3件も発生した。

<18~19日のJR神戸線内 人身事故>
・3月18日 21:53頃 神戸駅
・3月19日 17:32頃 垂水駅
      23:45頃 塚本駅

もちろんすべてが自殺や死亡事故とは限らないが、この数字は異常だ。

国土交通省が発表した2018年度分の「鉄軌道輸送の安全に関わる情報」輸送障害の事項を参照すると、「自殺」による輸送障害は601件。これは自殺と断定できた件数のみであり、遺書などが見つかっておらず自殺かどうか原因不明である場合は「運転事故」として処理されるが、その死亡者数252人を合わせても853件。この中には不慮の事故なども含まれるため、多く見積もっても1日平均で2件程度といったところだ。

そのため、この件数がいかに多いかというのが見て取れる。やはり先行きの見えない経済状況・不安からくるものなのだろうか。

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