緻密ダイヤを制御、新幹線総合指令所の秘密

東海道新幹線の運行システムは進化を続けている

新幹線総合司令室に行ってみた

「いいですか成毛さん。今回は勝手に写真を撮ったりFacabookにアップしたり、というのは厳禁ですからね。そもそも、場所がどこにあるかも内緒なんですから。くれぐれもお願いしますよ」

東海道新幹線の総合指令所への訪問が決まった時に、編集者が最初に言ったのは、訪問日でも集合場所でもなく、注意事項だった。

噂には聞いていた。東海道新幹線の運行を制御する新幹線総合指令所は都内にあるが、セキュリティの観点から詳細な位置は明かされていない。それはそうだろう。もしボクが『ダイ・ハード』の次回作でブルース・ウィリスと対峙することになったら、新幹線総合指令所を舞台に選ぶ。まてよ、となると自分は悪役側か。ともあれ、選ぶからには、しっかり場所を記憶しておかなくてはならない。

集合場所からの移動にあたっては、目隠しをされるに違いない。であれば、ここはマイ・アイマスクだ。もちろん、しっかり覆っているようにみえてすっかり丸見えというタイプを選び、その日を待った。

なお「オレ、どこにあるか知っている」などという無粋な物言いは無用。最後までこの設定に乗っていただきたい。

約束時間キッカリに施設内へ

当日、少し早く集合場所に着くと、JR東海の広報の方がいた。こちらのメンバーが揃うまで、しばしお待ちいただく。すると広報氏の電話が鳴った。「はい、まもなくお連れしますので」などと話している。時計を見ると約束の時刻ちょうど。さすが1列車あたりの平均遅延時間が30秒という新幹線クオリティである。

アイマスクの出番、今や遅しと心躍らせながら、殺風景な建物の中を歩く。しばらくすると、広報氏が言った。

「こちらが新幹線総合指令所です」

目の前に、写真で何度も見たそれがあった。うっかりしていた。アイマスクを装着したら何ひとつ見落とさないよう観察しようと思っていたのに、フリーであることに油断してぼんやり歩いてきてしまった。もはや自分がどのあたりにいるのかよくわからない。落胆しつつ解説を聞く。

新幹線総合指令所は、東海道新幹線と山陽新幹線の運行を司る頭脳である。1日のある瞬間を切り出すと、東京から新大阪まで515.4キロのレールの上に、80本以上の新幹線が存在することもあるという。

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