日銀・黒田総裁、過剰な追加緩和期待をけん制

「追加緩和は、10月」の声も

3月11日、日銀は金融政策決定会合で、昨年4月に導入した異次元緩和政策の継続を全員一致で決定した。写真は1月、都内で撮影(2014年 ロイター/Yuya Shino)

[東京 11日 ロイター] - 日銀は10、11日に金融政策決定会合を開いた。4月の消費税率引き上げ前では最後の会合のため一部市場関係者の間では景気の腰折れを予防する追加緩和への期待もくすぶっていたが、政策は現状維持とした。

景気判断は輸出を下方修正し追加緩和期待を温存する一方、設備投資や生産については判断を引き上げ、過剰な期待をけん制した。

輸出の弱さ、一時的要因

景気の現状判断は「緩やかに増加を続けており、このところ消費税率引き上げ前の駆け込み需要もみられている」との見解を据え置いた。

その中で輸出は、これまでの「持ち直し傾向にある」から「横ばい圏内の動き」に下方修正。一方、設備投資は「持ち直している」から「持ち直しが明確」に、生産は「緩やかに増加している」から「伸びがいく分高まっている」とそれぞれ上方修正した。

黒田東彦総裁は会見で、輸出が弱い理由について「製造業の海外生産シフトなど構造的要因があるものの、ASEANなど新興国経済がもたついている影響が大きい」とした。「米国の寒波、中国の旧正月(春節)、駆け込み需要で国内出荷を優先する動きなど一時的な要因も作用」と指摘。輸出が弱い「主たる理由は一時的なもの」とした。

追加緩和「現在不要」も「必要なら躊躇せず」

総裁は前回2月会合後の記者会見で2013年度の成長率見通しが下振れれば、追加緩和に踏み切るとも解釈できる発言を行った。13年10─12月の国内総生産(GDP)2次速報が下方修正され、日銀の13年度見通しは達成が難しい状況となっているが、総裁は「内需の堅調を確認する内容だった」と指摘。「現時点で金融政策を調整する必要があると思っていない」と述べた。

一方、「経済・物価動向を毎回点検していくなかで、2%の物価目標の達成が困難になり、必要なら当然躊躇することなく調整する」との従来姿勢も繰り返した。

会見を受け市場関係者の間では追加緩和の時期をめぐり「秋口」(外為どっとコム総研調査部長上席研究員、神田卓也氏)「早くて10月」(大和証券・シニアエコノミスト、野口麻衣子氏)などと受け止める声が聞かれた。

なお為替、株、金利市場の反応は、会合声明文、総裁会見ともに限定的だった。

もっとも、黒田総裁は市場や政府の圧力に対する「耐性が極めて高く、皆が忘れたころに仕掛けてくる」(元政府高官)とされており、今後も総裁発言の一言一言が注目され続けるとみられる。

(竹本能文、伊藤純夫)

 

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