世界最大・最強のアメリカ市場を見逃すな マネックス証券・山岸大統氏に聞く(上)
世界1位と2位の市場は、アメリカにある
――アメリカを含め、世界の株式市場が不安定です。
2014年1月29日、FRB(米連邦準備制度理事会)は、13年12月に続き、QE3(量的緩和第3弾)の規模を縮小することを決めました。発表と同時に、米国市場はもとより、日本、とくに新興国市場の株価が大きく下落したのです。QE1~QE3の金融緩和により大量に供給されてきたドルが金融市場から減っていく見通しとなったことによって、新興国への投資が減るという観測から、そのような流れが生まれました。
いまでも、新興国不安は継続し、株価も戻ってはいない状況です。しかし、発生源であるアメリカ市場はどうでしょうか。株価の下落は一時的なものにとどまり、すぐに元の価格水準に戻っているのです。これには、アメリカ経済の力強い回復が背景にあると言えるでしょう。
昨年、大阪証券取引所を統合した東京証券取引所は、時価総額で世界第3位の規模になったと言われますが、それでもアメリカの新興企業向けの市場であるNASDAQよりも時価総額は小さいのです。
世界最大の株式市場であるニューヨーク証券取引所の時価総額は東証の4倍強もあり、アメリカにあるこの2市場(以下、ニューヨーク市場)だけで、世界の時価総額の約37%を占めているのです。株式投資をする上で、このスケールの大きさを、無視することはできません。