ここがヘンだよ!日本企業のイノベーション 科学者集団が考えた、面白い仕事の作り方
「ビジネスにどうやってイノベーションを起こすか?」
大企業、ベンチャー起業家、メディアなど、国内外を問わずあらゆる人々が、この永遠の課題に答えを出そうと躍起になっています。この東洋経済オンラインでもそれに関する記事がたくさん出ていますが、今回の記事では、僕ら科学者集団が考えた、ひとつの考え方をご紹介したいと思います。
日本人が好きな「PDCA」が、むしろ邪魔?
「誰?」とお思いの方が多いと思いますので、自己紹介しますと、僕はリバネスというベンチャー企業を運営しています。理系の大学生・大学院生だけで立ち上げた会社で、サイエンスに関する出張授業(出前実験教室)など、複数の事業を展開しています。
皆さんになじみのあるところだと、ミドリムシのビジネスで知られるユーグレナ、日本初の大規模遺伝子検査ビジネスを行うジーンクエストなど、15社以上のベンチャーの立ち上げに携わってきた……と言ったら、少しは身近に感じていただけるでしょうか。
さて、私自身は農学分野の研究者でもあります。リバネスの社員も、全員が理系の博士号もしくは修士号を取得しています。
研究者はつねに、夢のようなイノベーティブな発見を目指しています。同志を集めてチームを作っては、無数の実験を繰り返し、そして世紀の大発見にたどり着きます。そうした過程と、ビジネスの世界、一般的な組織で行われるやり方を見比べてみて思うこと。それは、今の一般企業のやり方では、イノベーションは起こせないのではないかということです。
具体的には、多くの組織が取り入れている「PDCA」(計画・実行・評価・改善)のサイクルに、落とし穴があるのではと思うのです。
戦後、半世紀以上が経って、日本企業には強固なレギュレーションシステムが出来上がりました。その中で社員が組織にコントロールされながら「PDCAサイクル」を回し、業務の改善を図っていきました。しかし、このやり方では、「今ある仕事をよくすること」はできても、 「新しい仕事を作り出すこと」は難しいものがあります。そこで、イノベーションを起こすためにと、新たな仕組みを考えてみました。名づけて、「QPMIサイクル」です。
では、どんな順番ならいいのか?
「怪しい……」と思った方、そう怪しくはありません(笑)。けっこう真剣な話ですので、もう少し読んでみてください。
まずQはQuestion(疑問や課題)、PはPassion(情熱)、MはMission(使命)、IはInnovation(革新)。4つの頭文字をとったものが「QPMI」 です。具体的には、行動は次のように表せます。
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