「iPhoneゴールド」は成金のシンボルか

中国のバブル成金は、”金ピカ”がお好き

中国の成金の間で人気の金ピカ版「iPhone」(Getty Images)

「土豪」は金ピカ趣味の成金

中国のソーシャルメディアで流行語になった「土豪」(トゥーハオ)。「土」はローカルの、悪趣味の、といった意味で、「豪」は富や権勢のことですから、全体のニュアンスは「田舎の成金」です。特に、最近成り上がった富裕層で、経済力の見せびらかし方が下品な人々をからかうときに使います。

土豪という言葉自体の起源は古く、宋代には地方豪族を意味していましたが、毛沢東の時代には支配者階級の象徴として攻撃され、彼らの土地は人民へと切り分けられていきました。そして昨年の後半あたりから、新興富裕層の野卑な消費行動を揶揄する言葉として再登場したのです。

実際、彼らの金の使い方はとてもバブリーで、たとえば結婚の結納金を888万元用意する、100元札をふんだんに使って花束に仕立ててプレゼントする、新婦の両腕を手首から肩までゴールドのブレスレットで埋め尽くすなど、思わず笑ってしまうような愚行のオンパレード。それがソーシャルメディアで披露され、一般の人々はあきれながらも笑いのネタとして楽しんでいます。

そんな土豪を色で表すと、間違いなく金ピカ。iPhone 5Sの発売時には、カラーバリエーションのうち金色がいかにも土豪好みだということで、「土豪金」と呼ばれました。事実、iPhoneゴールドは即座に品薄となり、定価5288元のところ、一時はブラックマーケットで1万3000元まで値段が吊り上がったそうです。 

「New rich」から「Newer rich」へ

数年前まで金持ちの象徴としてよく使われた「富二代」(フーアールダイ)は、大富豪の二代目、つまり特権階級のボンボンを意味しました。高級外車を運転中に人身事故を起こした「富二代」の大学生が、現場を民衆に囲まれた際に発した威嚇の一言、「僕のパパはXXXだぞ」は流行語にもなりました。

すっかり資本主義化した中国では、富が大きく偏在しており、共産主義とは真逆の格差社会となっています。「胡潤百富」(Hurun Rich List)によると、中国には1000万元(約1.7億円)以上の資産を持つ人が105万人存在しており、親の代から資産家の「富二代」とは別種のニューリッチ層として出現したのが、自分一代で成り上がった「土豪」たちで、彼らが今派手な消費行動で世間をにぎわせているのです。

一方、土豪に先行して一時代前にぜいたくな生活を手に入れた人たちは、今ではブランド物で富を誇示する時期を卒業して、もう少し洗練された趣味を身に付け始めています。そのような上品な富裕層を意味する新語が「高大上」(ガオダーシャン)です。「高端」(ハイエンド)、「大气」(エレガント)、「上档次」(ハイランク)から成る造語で、自分なりの審美眼を持つ上質なライフスタイルの人々を称賛するのに使われます。これもまた、ネットから流行語になった言葉です。

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