「iPhoneゴールド」は成金のシンボルか 中国のバブル成金は、"金ピカ"がお好き

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高級品消費の主役は富裕層からミドルクラスへ

そして今、富裕層のライフスタイルは中間層にも浸透中です。広告メディア会社ZenithOptimediaの定義では、中国のミドルクラスは1~2級都市の世帯年収7万2000元以上、3~4級都市の世帯年収4万8000元以上ということになっており、全人口の約10%がこの層に属します。利権で大儲けしたスーパーリッチのずっと下位に位置するこの層は、日々、まじめに仕事をして可処分所得を増やしてきた人々から成っています。

中国政府が進める内需拡大政策を支えているのが、この中間層の旺盛な消費意欲。彼らの71%がすでにクルマを保有しており、年間5100万台のクルマと5000万台のスマートフォンを買い、27億杯のコーヒーを飲み、海外旅行に3000億元を使っています。

2012年の春節休暇8日間に海外へ出かけた中国人が、ヨーロッパのブランド品を72億ドル分買いまくりましたが、その大多数はミドルクラスだと思われます。上昇志向の強いミドルクラスが背伸びして富裕層の消費行動をマネする姿を皮肉る記事が、「微信」の私のコミュニティにアップされていました。面白いので、紹介します。

 <昨今の中国人、10の愚行>
(1)不動産は、広ければ広いほど良いと思っている(実際は2~3人しか住まない)
(2)クルマは、大きいセダンかSUVを好む(燃費が悪いのに)
(3)やたらと旅行に行く(行ってもロクなことにカネを使わない)
(4)海外に行っては欧米の商品を買いまくる(だから外国で「走動的錢包」〈歩く財布〉とバカにされる)
(5)子供を海外留学させる(本当の金持ちは家業を継がせるために留学させるが、彼らの場合は何のため?)
(6)別荘という響きに弱い(別荘とは名ばかりの安物を買ってしまう)
(7)ブランド服を見せびらかす(わざとタグをつけたまま着ている)
(8)ゴルフを始める(汚れた顔に欧米風の白いゴルフウエアは似合わないのに)
(9)大都市へ行きたがる(農民意識の裏返し)
(10)健康やフィットネスを追求(テレビや本の情報に踊らされているだけ)
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