仮設住宅生まれのご当地キャラ、大ブレイク 宮城・東松島の主婦が作った「おのくん」が超人気

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東日本大震災の被災地から生まれた縫いぐるみが、思わぬ大ブレイクだ。

宮城県東松島市の「小野駅前応急仮設住宅」の集会所で誕生したことから「おのくん」と名付けられた縫いぐるみを買い求めるために、ファンが引きも切らずにやってくる。口コミやフェイスブックを通じて、ファンは全国各地どころかアメリカやオーストラリアにまで広がり、すでに1万体以上のおのくんが里親の元に巣立っていった。

宮城・東松島生まれの「おのくん」。丁寧な手作りも人気の理由。注文から発送まで、6カ月待ちだ

「おのくん」が誕生したのは、東日本大震災から1年後の2012年4月。仮設住宅自治会長の武田文子さん(63)に、縫いぐるみ作りを手がけていた埼玉県の男性が、作り方を教えてくれたのがきっかけだった。

武田さんが「津波で自宅や仕事を失い、先行きが見えない生活を変える手掛かりになれば」との思いから、仮設住宅の主婦たちに声をかけたところ、「やってみたい」という人たちが集まってきた。「実際は、暇つぶしになると思ったのがきっかけでした」と、武田さんは打ち明ける。

新品の靴下と綿を材料に、ミシンと手縫いで1体を1時間半~2時間かけて仕上げる。靴下の色や柄、サイズによっておのくんの姿形はさまざまだが、すでにそのかわいさにほれ込んだファンによる写真集も刊行されているほどだ。

次ページ閑散としていた仮設住宅も、ガラリと雰囲気が変わった
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