上場を“予言”した、若き日の手書きメモ |

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上場を“予言”した、<br />若き日の手書きメモ

上場を“予言”した、
若き日の手書きメモ

第4回 GMOインターネット会長兼社長・グループ代表 熊谷正寿

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1984年、21歳だった若者が、「事業家として圧倒的なナンバーワンの会社をつくり、35歳で会社を上場させる」という人生計画を立てた。15年後、株式公開は計画から40日間だけ遅れたが、36歳でその夢を本当に実現させた。今や彼は日本を代表するIT企業経営者の一人となっている。これは奇跡的というべきなのか。いや、そうではないだろう。夢を実現させるにはコツがあるらしい。GMOインターネット会長兼社長・グループ代表の熊谷正寿氏は、これまで夢を実現させるための平坦ではないプロセスを“よじ登って”きた。そして、そのプロセスの中で、彼が最も大事だと考えてきたものが、手帳だという。


熊谷正寿
GMOインターネット会長兼社長・グループ代表
1963年7月17日長野県生まれ。
東証一部上場のGMOインターネットを中心に上場6社やGMOクリック証券などを含むグループ76社、スタッフ約3,800名を率いる。
著書に『一冊の手帳で夢は必ずかなう』(かんき出版)、『20代で始める「夢設計図」』(大和書房)など。

手帳に書くことで夢を実現させてきた

―――IT企業の社長であり、最先端のデジタル機器もフルに使われていますが、なぜ手書きを重視されているのでしょうか。

熊谷 例えば、今から27年前、僕が23歳のころ、性格改造しようと思って、本で学んだことや人から聞いたことを、手帳に書きました。
 「礼儀正しいか」「自説を強要し過ぎていないか」「押しが弱くないか」といった項目を性格改造チェックリストとして書き、当時常に持ち歩き、絶えずチェックしていたのです。
 今見てもそのころの思いや情景がすぐ頭に思い浮かびます。でも、これがパソコンではダメなんですね。やはり手書きの文字じゃないと。
 僕は「35歳で株式公開する」という目標を立て、それを実現させるための人生の計画を手帳に書いて持ち歩いてきたのですが、手で夢を書いたからこそ、今の会社ができたんだと思っています。夢を書くことは何と言っても手書きでしかできない。しかも、思いを込めて書くことが大切だと考えています。

―――手帳に夢や目標を手書きすることで、実現させてきたのですね。

熊谷 夢や目標を細分化させて、日々のスケジュールに落とし込むことは、手帳のほうがいいと思っています。僕はいまだにスケジュールも手書きで書くことが多いのですが、実際にそれができたのか、できていないのか、繰り返しチェックしています。
 なるべく僕もデジタル化していきたいと思っているのですが、変えられないものもある。だからこそ、使い分けが大事になってくるのです。


土日を考える時間にして
手帳にスケジュールを書く

―――実際にどう使い分けているのでしょうか。

熊谷 今も試行錯誤しているのですが、ネットに出てこないデータ的なもので、保存したい資料は、ほとんどエバーノートに入れています。
ただ、暗記したいものや思いを残したいもの、繰り返し見たいものはエバーノートに入れてしまうとダメですね。
 例えば、アイデアを沸騰させたいものは手帳に書いています。手書きしたものがフックとなってビジネスに役立つときもあるからです。手帳だと再現するのにページをめくれば、すぐに頭に入ってくる。そのスピード感や軽さがいいのです。
 しかし、PCやタブレットでは再現性の遅さや重さがあり、しかも画面は小さく、最大でノート見開きの大きさしかない。どんなに早くめくれるといっても無理ですね。
 頭の中で、夢みたいに繰り返し叩き込みたいもの、自分で確認したい進行中のプロジェクトなどは、手帳に手書きして、手元にいつも置いておきたいのです。

―――どんなときに手帳を見返しているのですか。

熊谷 時間があれば、ずっと見ています。そこでイメージして、「今何が足りないのか」「どうしたらいいのか」ということをずっと頭の中で考えています。手元において、リマインドしていなかったら、何も実現できなかったでしょうね。
 僕はこれまで「自分がこうしたい」という考えを週末にまとめて、翌週の月~金で何をすべきかを決める作業を長年繰り返してきました。
 (社長ゆえ)平日は、頻繁に電話連絡があり、メールは1日1000通近く、会議も多い。しかも夜は夜で遅いうえに接待などもあれば帰って寝るだけ。ゆっくり考える時間が週末しかないんですね。ですから、土日を考える時間に充てることにしているのです。
 手帳の整理をすれば、頭を整理することができます。1週間書きつづった手帳をプロジェクト別に整理したり、1週間で起こったことが手帳に書いてあるので、「あのときこうしたほうがよかった」といったことをリマインドできる。そうして過去1週間の整理をして、来週やるべきことを手帳に書いていくのです。その時間は自分にとってすごく大事ですね。


手帳を参考書のように
使って勉強する

―――手帳に写真も入れてらっしゃいますね。

熊谷 それは情報量が一番多いからです。昔、自分のモチベーションを上げるために、自分のほしいクルマの前に立って、写真を撮っていました。それを手帳に挟んで、ずっと持ち歩いていたのです。例えば、イタリアに行ったときに、街角で見つけた知らない人のフェラーリを撮ったり。あとで実際に購入できたクルマもあります。
 新聞の写真の切り抜きも入れて、理想とするビジネスマンの姿を想像しましたし、本を出すということも人に勧められ、いつかはと手帳に書いて実現しました。
 書くと実現するんです。それにはイメージを持っていることがすごく大事で、本当にほしいものは何度も自問自答して、チェックしましたね。

―――書くことを継続させるにはどうすればいいのでしょうか。

熊谷 ペンにこだわりがあります。自分の好きなペンじゃないと書かなくなるのです。僕はモンブランが好きなのでいつも使っていますが、基本は万年筆、赤ボールペン、シャーペンです。だいたいシャーペンで書いて、赤ボールペンはチェック用です。サインなどをしなければならないときにブルーインクの万年筆を使っています。
 あとは暗記用のペンがありますね。昔受験生が使っていたチェックペンで、今はアプリで撮ると、チェックした部分が黒くなるペンも使っています。
 手帳に書いたことは覚えて、勉強するようにしています。いわば、手帳を参考書のように使っているのです。何でも勉強です。書きっぱなしではなく、覚える。僕は今も移動中や風呂に入っているときは受験生のように勉強しています。
 僕は高校を中退していますから、勉強しなければダメだと思って、20歳を過ぎて仕事しながら勉強したんです。でも、仕事しながら勉強することは学生と違って、なかなか難しい。そこで速読術や記憶術も勉強して、効率を上げようとしたこともあります。


何回も目にすべきものは
やはり書いたほうがいい

―――秘書の方がパソコンで作成したスケジュールを手帳に転記するそうですね。

熊谷 秘書さんがつくったスケジュールを一度考えるためです。本当にこれでいいのかどうかを確認しているのです。
 スケジュールというものは、(社長であるがゆえに)下手をすると、空き時間をすぐに埋められてしまう。日本人の平均寿命を80歳とすれば、僕は今50歳なので、あと30年しかない。例えば、この60分というインタビューの時間も残り30年のうちの寿命を使って受けていることになります。要は命を削っているのです。
 残り少ない寿命の時間の中で、この60分という時間に何を入れるのか、ということが一番大事な話になってくるのです。
 手帳は夢を実現するための最高のツールだと思うのですが、本当にいいと思ったことや、必要なアクションに時間を割いていかないと、夢は実現しません。だからこそ、人が決めたスケジュールを、ある種、疑ってかかったり、もっと良い組み合わせができないか、手帳で再確認しているのです。

―――1日、1時間、1分を大事にして生きようとしているわけですね。

熊谷 そうした姿勢を手帳でチェックしているのです。未来に実現したいこと、今考えなければならないこと、そして、それを具体的なスケジュールとして時間に落とし込むときも、一息おいて考えています。考えたり、思いを深く刻んだりするもの、何回も目にすべきものは、やはり手で書いたほうがいいと思います。
 皆さんも何か実現させたい夢があれば、それを実現させるために一番時間が短くて、一番効率的なものは何かをまず考えてみることです。そのツールとして手帳はとても役に立つと思っています。