僕が「あまちゃん」紅白で奇跡を起こすまで

40歳過ぎての微妙なポジション。そのとき僕は…

あの「あまちゃん」紅白の裏側で何があったのか?

※前回記事:30過ぎまで不発の人間でも変われるか?~サラリーマンNEO流、「自分を変える」技術~

前回の記事では、30歳を過ぎてもダメダメなテレビディレクターだった僕が、いかにして「サラリーマンNEO」というNHK局内でも前代未聞のコント番組を作るに至ったか、その過程で自分自身をどう変えていったか、について書きました。今回の記事では、40歳を過ぎて微妙なポジションに立たされてしまった僕が、さらに「自分を変える」ために行ったことについてお話していきたいと思います。

Chapter 5 自分を“強制執行”し、更新し続ける

さて、前回記事の最後で「自分から離れる技術」について書きましたが、今回はその続きから。

うまくいかない自分の状況を客観視し、そこから抜け出すために、「自分から離れる」……ということをお勧めしたわけですが、ただダメな自分や状況を傍観しているだけでは、意味はありません。

楽しく仕事をするためには、苦難が必要です。充実感を味わうためには、乗り越える問題が必要です。えっ、苦難、問題、もっと簡単な方法教えてよ……と読むのをやめようとした方、ちょっと待ってください。

ほとんどの映画やドラマは、自分が変わる物語です。主人公がこれまでの日常から離れ、困難に立ち向かい、克服し、成長する物語になっています。だから、感動するのです。その主人公になって、自分も感動させましょう。確かに(美輪明宏さんもよく言っていますが)何かを得るためには、何か犠牲が必要です。犠牲から逃げているかぎり、自分の望むものは得られません。でも、ならばこう考えてみるのはいかがでしょう。

最初に自ら犠牲を引き受けてしまえば、後から幸せがやってくる。

なんて楽観的な発想、と思われたでしょうか。でも、僕の人生での幸運は、この行動を取ったときが多いのです。朝ドラ「あまちゃん」もそうでした。映画が終わり、「サラリーマンNEO」も打ち切りが決まったとき、ほとんどしゃべったことのない同期のドラマのディレクターから、1通のそっけないメールが届きました。「話があるんだけど、飲まない」と。

居酒屋に行くと、おもむろに切り出されました。「今度やる朝ドラのセカンドディレクターやらない?」。面食らいました。唐突な話ですし、そもそも芸能番組の人間が、ドラマを撮ることなんて、これまでNHKでは一度もないのです。ただ、ありがたい話です。

迷いました。いろいろな人に相談しました。ほとんどの人が、「サラリーマンNEOを作った人が、今さら(伝統的な)朝ドラをやるより、新しいことやりなよ!」と言いました。そりゃ「あまちゃん」がこんなに斬新な内容で、ヒットすることがわかっていれば、みんな勧めたでしょう。でもそのときは、大ヒットになるなんて、誰にもわからなかったのです。当時、すでにNEOの後継番組として、ウッチャンのコント番組の準備に動いてたこともあり、とにかく迷いました。条件をいくら考えても、堂々めぐりの日々。だから最後は、自分から離れ、自分の心に問います。

「お前は、どうなんだ?」と。

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