プロジェクトは「最終報告」の目次から考える 不確実性が高い状況にこそ相応しい仮説思考

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ビジネスの場における「仮説思考」がどのようなものか、解説します(写真:ipopba/iStock)  
AI(人工知能)の時代に、人間に求められるのは、自ら能動的に問題を発見し、やるべき解決策を考えて、それを行動に移していく力です。すなわち「自分の頭で考える力」です。
思考(法)には、戦略的思考、ロジカルシンキング、アナロジー思考、具体と抽象、MECE、ロジックツリー、無知の知、メタ認知……など、基本となるキーワードがあります。
入門「地頭力を鍛える」32のキーワードで学ぶ思考法』から、ここでは「仮説思考」とはどのような思考法なのか、なぜ重要なのか、どう使うのかを解説します。

【WHAT】結論から考える

仮説思考とは、限られた時間と情報しかない中でも目標達成、問題解決に向けた仮の答え(仮説)をまずは決め打ちしたうえで、先に進んでいく発想法です。

『入門「地頭力を鍛える」32のキーワードで学ぶ思考法』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

地頭力の基本は、「結論から、全体から、単純に考える」ことです。仮説思考(力)とは、「結論から考える」ことであり、地頭力を構成する基本の要素の1つでもあります。

「ベクトルを逆転する」あるいは「逆算して考える」のが仮説思考です。

「はじめ」からではなく「おわり」から考える。「できること」ではなく「やるべきこと」から考える。「自分」からではなく「相手」から考えることを意味しています。

例えば、ある期間内に調査結果をまとめるプロジェクトのリーダーに任命されたとしたら、「明日からのアクション」ではなく、まず「最終報告」を考える。最終的に「誰に」「どんなメッセージが伝わればよいか」を最初に考える。

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