凍った地球 田近英一著

凍った地球 田近英一著

人類はいま、喫緊の課題として温暖化対策に追われているが、時間スケールを大きく伸ばすと、現在の地球は「温暖湿潤期」ながら新生代後期氷河時代の真っただ中にある。もともと大規模変動を伴った46億年の地球史からすれば、歴史的に環境安定期はそう長かったわけでもない。

その大規模な環境変動の例に、かつて3度にわたり地球の表面は完全に氷で覆われていたというスノーボールアース(全球凍結)仮説がある。これにより生命は大絶滅の危機に瀕する極めて過酷な試練を強いられたという。本書において著者は、そのスノーボールアース仮説と、それがもたらした新しい地球史観を、好奇心旺盛に探究していく。決め手は地層、それも「氷河堆積物」の観察にある。

本書は、「天文少年」がすくすくと育ち、少壮の地球物理学者となった著者のいわば「探偵ミステリ」といえる。自然科学好きばかりでなくミステリ好きの読者にも好適だ。

新潮選書 1155円

Amazonで見る
楽天で見る

関連記事
Topic Board トピックボード
人気連載
Trend Library トレンドライブラリー
  • コメント
  • facebook
0/400

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

Access Ranking
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • いいね!

※過去48時間以内の記事が対象

※過去1ヵ月以内の記事が対象

※過去1ヵ月以内の記事が対象

※過去1ヵ月以内の記事が対象

※週間いいね数のランキングです。

トレンドウォッチ
ホンダの限界

ホンダが「らしさ」と効率化の間で揺れている。車づくりを世界各拠点の独自性に委ね「らしさ」を維持してきたが、生産が500万台を超え、個性と効率、どちらをとるかの分岐点に立つ。