あの“ジリ貧"ブックオフが地味に復活した 2年間の売り場改革で脱「古本屋」の境地

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長年の課題にメドをつけ、ブックオフは2020年3月期からは「ブックオフ スーパーバザー」(BSB)の新店投資や店舗とネット通販との連携など、過去2年間抑制していた投資を拡大する計画だ。

BSBは、本やソフトメディアに加えてアパレルやブランド品なども扱う「ブックオフ プラス」(BOP)とともにブックオフが成長戦略の要として出店を進めている大型店で、本やソフトメディア、アパレル、スポーツ用品、ブランド品、家電・携帯、楽器、生活雑貨までさまざまな商材を扱う。2019年3月期は広島段原店1店の出店にとどまったが、2020年3月期はBSBでは北海道初進出となる札幌宮の沢店が4月18日、25日には千葉でイトーヨーカ堂流山店がオープンするほか、さらに2~3店を上積みし、4~5店を出店する計画だ。

大型店業態への投資を再開する

店舗とネット通販との連携では、ソフトメディアで2019年3月期に店舗で買い取ると同時に通販サイトに出品する仕組みを構築したのに続き、2020年3月期には本も買い取りと同時にサイトに出品、店舗とネット通販の双方で販売できる体制を整える。さらにネット通販で注文した本やソフトメディアを店舗で受け取ることができる仕組み作りの構築も進める考えだ。

ブックオフが中古本販売チェーンという業態を立ち上げてから2021年8月で30周年を迎える。それまでに成長路線を確立することができるのか。新店投資の加速やネット通販との連携策強化とともに、単独店改革の持続力が大きなカギとなっている。

野口 晃 東洋経済 記者

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のぐち あきら / Akira Noguchi

中古品小売りなどの業界を担当。

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