平成最後を飾る、JR「史上最強」の特急列車は? 各社を代表する電車・ディーゼルカーが続々

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なにしろ、特急電車なのに出入口のドアは通勤電車のような両側に開くタイプだし、そのドアと客室との間には、簡単な仕切りはあるものの、ドアはないから静粛性という点ではほかの特急電車と比べてしまうと、少し劣っている。編成も、最低3両から運転が可能だ。けれど座席は立派なリクライニング式だし、窓は大きくて車窓風景は存分に楽しむことができる。

JR東海の373系(写真:ゴスペル/PIXTA)

1995年にデビューしたときには、静岡と東京を結ぶ特急“東海”に起用された。一方で、当時は大垣と東京の間で毎日運転されていた普通夜行列車“ムーンライトながら”にも使われていたし、それらの折り返しで、静岡と東京の間の昼間の普通列車でも見ることができた。特急“東海”は、残念ながら2007年に廃止され、“ムーンライトながら”は2009年に、2012年には普通列車もJR東日本の車両を使うことになって、東京で見ることはできなくなった。

けれど、今でも身延線の特急“ふじかわ”や飯田線の特急“伊那路”に使われているし、沼津、静岡、浜松地区での着席制普通列車“ホームライナー”にも使われている。デビューから24年を経た今でもオールマイティに活用されているところが、すごいと思う。

9.地方線区の救世主 JR西日本187系ディーゼルカー

自社の営業エリアにローカル線をたくさん保有しているJR西日本では、それらの維持に大いなる精力を注いでいる。島根県の三江線のように支えきれずに廃線になってしまったところもあるが、広島県の可部線は、わずか1.6kmとはいえ、いったん廃止した路線を復活させた。富山港線は、地元に資産を譲渡することによって生まれ変わった。

JR西日本の187系(写真:buhi-2121/PIXTA)

かつては“亜幹線”と呼ばれる、準基幹線区だった山陰本線も、今では沿線人口の減少や高速道路の整備などによって生き残り策が必要となっている。そこで地元と協力して線路設備を改良するとともに、性能のよい新車を投入して列車のスピードを向上させる努力をしている。その一環として生まれたのがキハ187系ディーゼルカーである。

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