「ベッキー結婚」でさえ酷評する人の深い闇 安易な「手のひら返し」や「厳罰続行」は禁物

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それ以上に深刻なのは、直感的な感情ばかりになると論理的な思考が失われて、幸せを実感できにくい人になっていくこと。視野が狭いこともあって、目の前の幸せすら次第に「当たり前のもの」と感じて喜びが浅くなるなど、寂しい人生になりがちなのです。

ドラマ「3年A組」の強烈なメッセージ

もう1つ、みなさんに紹介しておきたいのは、今最も話題を集めているドラマ「3年A組–今から皆さんは、人質です–」(日本テレビ系)。日曜22時30分からの遅い時間帯にも関わらず視聴率11.7%を記録した2月10日の放送では、象徴的なシーンがありました。

主人公の教師・柊一颯(菅田将暉)が生徒たちに、「目を覚ませ! 何がしょうがないんだよ。何を反省してるんだよ! お前ら、いい加減に目を覚ませ! 変わってくれよ! 何がいけなかったのか、うわべだけで物事を見ないで、よく考えるんだよ! 目の前で起こってるものをちゃんと目で受け止めて、頭にたたき込んで、胸に刻むんだよ!」

「お前たちはもう感情に任せてあやまちを犯せる歳じゃないんだよ。それが許される歳じゃないんだよ! 考えて! 考えて! 考えて! 答えを出すんだよ! だからもっと自分の言葉に! 自分の行動に! 責任を持てよ!」と強く訴えかけました。この熱気あふれるシーンに、「考えさせられた」「よく言ってくれた」などの称賛が集まったのです。

情報にまみれ、自分の人生と向き合わず、よくも悪くも、その矛先は他人。ベッキーさんへの「手のひら返し」や「天使と悪魔化」だけでなく、飲食店を中心とした「バイトテロ」「不適切動画」問題への過剰な批判なども含め、自分の人生と向き合っていない人が増えています。同シーンは17日(日)22時29分まで「TVer」でも見られるので、未視聴の人はチェックしてみてはいかがでしょうか。

しかし、ベッキーさんの結婚発表に対する反応には、さらに深い闇を感じさせるコメントが少なくありませんでした。

ベッキーさんの結婚を報じる記事や彼女のインスタグラムには、「需要ないから家庭に専念しろ」「これで浮気された妻の気持ちがわかるだろ」「不幸にした人を忘れるな」「“女の敵”というイメージは変わらない」などの厳しい声が見られました。しかも、その声に対する「いいね」の数が多かったのです。

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