「就職に失敗した人」がつい陥ってしまうワナ 仕事とは「必ず」やらなければいけない

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そういった理不尽さや思いもしなかったことに遭遇して、それらにうまく対峙することが成長につながり、そしてその後の人生を実りあるものにしていくのです。

そしてその反対もしかり、つまりふさぎ込んで自分自身を過度に否定してしまいますと、この先の人生は負のスパイラルに陥ってしまいます。

頂戴した文章を拝見するに、風雲児さんは自己評価が高いと見受けられますし、ご自身としては就職活動にも非常に自信があったのでしょう。

しかしながら、今回の結果をしっかりと受けとめ、自分に足りなかった箇所が何かを考え、今後の人生にしっかりと生かしていくべきです。それができるか否かが今後の人生を左右します。

風雲児さんとしては自信があった。しかしその自信は面接官の心を動かすような情熱や熱意として伝わっていなかったのでしょう。その原因を考えることから、まずはスタートするべきなのです。

繰り返しですが、今回就職活動において本意でなかった結果に終わったからといって、風雲児さんという個人や人生が否定されたわけではありません。

たまたま今回のケースでは結果が思うようにいかなかった、という以上でも以下でもありません。

就職活動における失敗が人生の失敗では決してないのです。それを肝に銘ずるべきです。

就職活動における成否が風雲児さん自身の可能性も将来性も変えるものでは決してありません。

今後の人生をどう生きるかによって、この先いくらでも人生は楽しいものにもつまらないものにもなりえます。

鉄道との縁がすべて切れたわけではない

ここでふさぎ込んでしまって、書かれているように「生きる価値がない」などと言ってしまうようでは、この先どんどん人生が悪い方向に行ってしまいます。

そうでなく、今回の経験は自分自身を見直すよい経験であったと考え、仕事とは、人生とは、ということをご自身の中で再定義してみましょう。

就職活動で運転士になれなかった、鉄道会社に入れなかったということだけで鉄道に対する愛情や情熱が冷めてしまうような、そんな簡単な話ではないはずです。

鉄道に関わることは何も鉄道会社での仕事だけではないはずです。どういった関わりが人生の中でできるか、それをご自身で考えてみることで、今後の仕事や鉄道に向き合う方向性が見えてくるはずです。

繰り返しですが、就職活動の失敗だけで自分の今後の人生と可能性を自ら諦めてしまってはいけません。

逆境だからこそ自分自身の鉄道に対する情熱の深さも見えてくる部分もあるでしょう。

今後長い人生を歩んで行く中で、こんなことで諦めてはいけません。

風雲児さんが今回の経験を糧に、ご自身の人生や優先順位を再度見直し、一歩一歩前に進まれるであろうことを応援しております。

安井 元康 『非学歴エリート』著者

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やすい もとやす / Motoyasu Yasui

MCJ社長兼最高執行責任者(COO)。アニメーションの企画・制作を手掛けるベンチャー企業を経て、MCJにて東証への上場を経験。その後、経営共創基盤にて戦略コンサルタントして9年間活躍し、2016年3月にMCJに復帰。著書に学歴コンプレックスに悩みながらも独自の方法でキャリアを切り開いてきた様子を描いた『非学歴エリート』(飛鳥新社)や、自分ならではの人生を生きる術を描いた『極端のすすめ』(草思社)等がある。

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