プロ野球春季キャンプ、期待の若手を徹底分析 賑わせているのは昨夏甲子園を沸かせた選手

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中日・根尾選手は、自主トレ後半に下半身を故障し2軍スタートになりましたが、与田剛新監督の期待も大きく、昨年までショートのレギュラーである京田選手と同じポジションを競わせるような考えもあるようです。体調が万全になり、1軍に合流したときのポジション争いは非常に見応えもあり、面白いものになりそうです。

次にロッテ藤原選手。

1軍キャンプでのスタートを切り、第1クールから持ち前である走攻守の技術の高さをアピールできています。とはいえプロ野球のレベルの高さは高校野球とは比べ物にはならないほど高いものですから、今後いろいろな苦労が出てくるでしょう。その環境に1日でも早く慣れることができれば、1年目から戦力として計算できる選手になっていくのではないでしょうか。

日本ハムの吉田選手。

彼の場合はもちろん即戦力としての期待も大きいとは思います。選手の育成がしっかりしている日本ハムだけに、無理はさせずに2軍でのキャンプスタートになりました。1月の新人合同自主トレに続き、沖縄でのキャンプもメニューを順調に消化しているようです。

昨夏の甲子園での投球を見ましたが、各球種の完成度・コントロール・セットポジション時のクイックモーションの速さ・牽制球など、投手としての重要なポイントをすでに持っていますから、藤原選手同様、早くプロ野球の生活に慣れることができれば、1軍での登板も今年の早い時期に見られるのではないかと思います。

楽天イーグルスのキャンプ

さて、私の古巣・楽天キャンプに関してです。

まず、原因不明の右目の不調を訴えていた今江選手が久米島での2軍キャンプに合流しました。キャンプ入りは遅れましたが、ベテラン選手なので、開幕までにはしっかりした調整をして間に合わせてくれるでしょう。

前コラムでは野手編でしたが、今回は投手に目を向けていきます。

やはり投手陣の中心は、則本投手と岸投手。この2人にかかる期待は今年も非常に大きく、体調さえ問題なければどちらかの投手が今年の開幕戦でマウンドに立っていると思います。しかし、この2人が頑張るだけではチームの上位進出は難しいでしょう。この2投手に続く、シーズンを通してローテーションを守っていける投手を作ることが、楽天の課題です。

現状では、一昨年11勝を挙げた美馬投手、11年目の辛島投手、3年目の藤平投手、6年目の古川投手、広島からトレード移籍した福井投手などが、ローテーション投手として3番目以降に入ってくることが予想されます。この中にいて首脳陣が計算できる投手になるには、これまで以上の練習をしなければ昨年と同様になってしまいます。個人でのアピールのみならず、投手陣全体で高いレベルでの競争をキャンプから繰り広げてほしいです。

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