フランス人から見ると痴漢はほぼ強姦行為だ 軽はずみないたずらでは済まない

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エマニュエル:次に挙げるのが露出狂。車や物陰で待機して人が通るときに突然現れて性器を見せる犯罪で、主に子どもが被害者として狙われることが多い。身体的な被害はないが、精神的な性的犯罪の典型といえる。

そして最後は強姦。フランスやヨーロッパでは強姦被害は多く、被害の状況もさまざまだけど、交通機関での強姦としては、ナイフや暴力で女性を脅して電車内でレイプするというのが最も多い被害だ。たいていは車内に乗客がほかにいないときに行われるが、乗客が数人いる場合でも被害に遭っている女性もいる。武器を所持しているため、ほかの乗客も恐怖で動くことができないんだろう。被害者が抵抗しようとしても暴力で押さえつけられ、最悪の場合には殺害してしまうこともある。

くみが被害に遭った痴漢はこのいずれのタイプにも当てはまらないんだよね?

「手や指の挿入」も強姦と見なされる

くみ:どれにも当てはまらない。でもちょっと待って。痴漢に遭っていた経験があったから、パリでも公共交通の「viol(強姦、レイプ、性的暴力)」のニュースを目にすると、いたたまれなくて何度か読んだことがあったんだけど、疑問に思ってたことがあるの。

パリ郊外にある駅のホームで、若い女性がviolに遭った、というニュースを読んだことがあるんだけど、violといえば私は、性器を性器に挿入する強姦だと思っていて、駅のホームで、っていったいどういうことなんだろう、と戦慄(せんりつ)したんだけど、記事を読むと、様子が違った。

被害者の女性はズボンを履いてホームで電車を待っていたところに、加害者の男性が近づいて、ズボンの腰の部分から手を中に入れた、ということだった。それ以上の記述はなかった。ここでいうviolはつまり、さっき言ったような強姦ではなく、私が日本で普通に遭っていたような、服の中に手を入れた、ということまで含むという理解でいいの?

エマニュエル:そうだね、フランスではviolという言葉の法的な定義は長い間に変遷を経て、現在使われている定義になったのは1980年以降なんだ。現在の定義では、「他人による暴力、強制、脅迫の下に、または意表をついて行われる、いかなる性質のすべての性的な挿入」ということになっている。「いかなる性質の」と前置きがされているのも、性器の挿入だけではなく被害者の感情を基に挿入の判断がされるために、手や指による衣服の中への挿入も含まれることになる。

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