今どき引く手あまた! 「経営人材」の転職事情


 景気後退は、転職市場にも大きな影を落としている。

「昨年末から外資系で採用コストを抑制する動きが出ていたが、今年の春先以降は金融、不動産の求人数が明らかに減少している。10月からは円高もありITや製造業にも影響が出始めた」と、インテリジェンス採用支援事業部の黒須徹弥・第2統括部統括部長は足元の動向を語る。

人手不足が続いたIT業界では未経験者も積極的に採用してきたが、そうした状況にも変化が見られる。「企業が求める人材のスペックが上がっている。まったくの未経験者だと、今はIT業界の転職も厳しくなってきた」(黒須部長)。

企業の採用意欲を表す「求人広告掲載件数」は、今年4月から対前年同月比でマイナスに転じている。そもそも転職者の割合自体、2005年をピークに頭打ちとなっていた。景気後退となれば、今後は一段と転職市場の冷え込みが予想される。

だが、こうした厳しい採用環境の中でも、企業に引く手あまたの人たちがいる。それが「経営人材」だ。



約7割の企業で経営幹部層が不足

経営幹部層に特化した人材紹介会社、リクルートエグゼクティブエージェントの調査によると「経営人材が充足している」とするのは回答企業の約3割にすぎない。「今後不足する可能性がある」「不足している」を含めると、約7割は経営幹部層の確保に悩んでいるのが現状なのだ。

その背景を、同社の井上和幸マネージングディレクターは、こう説明する。「従来にも増して企業経営にスピードが求められている。コーポレートガバナンスの強化で経営の透明性も高まった。その結果、経営幹部層のマネジメント能力があらためて問われている」。

さらに「ファンドによる事業再生案件が増えたことや、後継者問題を抱える企業が多くなったことも、経営人材に対するニーズが高まった要因」(井上氏)。実際、同社でも昨年秋から、企業の引き合いがにわかに活発になっているという。


 
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