豪雨の「水没リスク」、都内地下駅の対策は? 東京には浸水しやすい駅が至る所に存在する

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地下駅に限らなければ、北千住駅、鐘ケ淵駅、北赤羽駅、蓮根駅など荒川沿いの各駅では、浸水高が最悪の場合5m以上と想定されている。

下町は「ゼロメートル地帯」が多い

次に路線ごとに地下鉄駅の地上部分が浸水する区間を示してみた。

山手・京浜東北線より東側の都内の駅付近は、ほとんどが浸水すると心の準備をしておこう。東京メトロ銀座線、日比谷線、東西線、都営浅草線、新宿線では10以上の駅(地表部分)が浸水する。

浸水高は比較的低く、前述のランキングに現れなかったもので主な駅を挙げれば、東京駅で0.5m未満、有楽町駅で0.5~1m、銀座駅に関しては銀座四丁目交差点周辺(銀座線ホーム付近)は浸水しない想定だが、数寄屋橋周辺(日比谷線ホーム付近)では0.5~1mとなっている。

こんなに多くの駅付近が浸水する理由のひとつが、東京の下町には「ゼロメートル地帯」と呼ばれる地域が広がっているためである。海抜0mならまだいいほうで、江東区の東部一帯など標高マイナス2m以下である。

江東区以外でもJR総武線・平井駅など、線路は高架だが駅前の地は海抜マイナス2mとなっている。なぜそうなったかといえば、大正時代後半から昭和の戦後まで工業用地下水汲み上げと天然ガス採取で地盤沈下したためである。

<表の補足>
・各区のハザードマップの浸水高により便宜的にランキングを行ったが、各区により0.5~3m、1~3mなど目盛の設定が異なっている。実際はこのランクに従った浸水高になるとは限らない。
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