iPhoneの「中毒脱却機能」が秀逸といえるワケ アプリ使用時間に制限を加えることも可能に

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iOS 12での通知の改善のもう一つのアプローチは、通知画面の整理と通知の分類だ。

これまで通知は時系列で新着順に並べられていた。例えばLINEでチャットルームが活発になったら、50件以上の通知が画面を埋め尽くす、といったこともあった。iOS 12では、同じアプリやトピック、会話のスレッドから届いた通知を一つにまとめて重ねることができるようになった。

通知をアプリやスレッドごとにまとめる機能も追加される(筆者撮影)

まとめられた通知はロック画面で自由に展開して中身を見たり、アプリを開いたり、そのまま全部削除することも可能だ。またそうしてまとめられた通知のまとまりで重要ではないものについて、音や画面点灯を伴わない通知の受信、もしくは通知を受信しないよう設定も可能だ。

ここでも、通知画面に表示される情報を減らしたり、画面を点灯させて知らせる通知を選択することによって、あらゆる通知に反応して作業が中断されたり、常にスマートフォンを眺めるような行動を抑制できるようになる。

「スクリーンタイム」を知り、改善する

iOS 12には、新しいアプリ「スクリーンタイム」という新しいアプリが備わった。スクリーンタイムとはすなわち、画面に触れている時間のことだ。

iPhone使用にまつわる統計的なデータを表示する強力な「レポート」機能を備える。これによって、普段意識することがなかったiPhoneの利用時間を知ることができる。

「スクリーンタイム」アプリは、自分やこどものデバイス利用の時間や頻度、使用アプリなどの統計情報を1週間ごとにまとめるレポート機能や、1日ごとのアプリ利用時間を制限するアプリタイマー機能が備わる(筆者撮影)

1日の中で、どのジャンルのアプリを何分使っているのか。最も長時間使用しているアプリは何か、という情報を見ることができ、何分に1度iPhoneを見ているかという平均まで算出してくれる。また一度画面を見始めて最も長く見ていた時間も割り出してくれる。前述のスマホ中毒のきっかけを作り出す通知についても、どのアプリから届くのか、1日平均何回届くのかが分かる。

スマホ中毒を改善したいと考えた人は、こうしたレポートを見れば、どのアプリが元凶となっているのか一目瞭然となる。そこで、使いすぎているアプリの1日あたりの使用時間を制限する機能が用意される。時間が過ぎるとアプリは起動しなくなる。もちろん無視することもできるのだが。

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