「自宅マンション投資」が結局のところ最強だ 儲けたいなら「7つの法則」に従おう

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──その7つの法則とは。

(1)買ってはいけない時期がある、(2)単価の高いエリアは底堅い、(3)交通アクセスはいいに限る、(4)大規模マンションは得、(5)タワーはランドマーク性に価値がある、(6)面積は小さいほど損、(7)適正価格以下で購入する。最近の動向を見て、これに新たに法則項目を3つ加えた。(8)売り主は大手が有利、(9)人気公立小学校区内は値下がりしにくい、(10)鉄道の延伸・新駅と駅前再開発には乗る、だ。

住み替えるには資産性がないとダメ

──戸建てよりマンションなのですね。

沖 有人(おき ゆうじん)/1988年慶応義塾大学経済学部卒業。 監査法人トーマツ系列のコンサルティング会社、不動産コンサルティング会社を経て、98年にアトラクターズ・ラボ(現・スタイルアクト)を設立。分譲マンション価格サイト「住まいサーフィン」を運営。(撮影:梅谷秀司)

戸建てに罪はない。ただ結局、マンションも戸建ても、次に買う人がいくらで買ってくれるかが重要なことに変わりはない。購入者はローンを組む。ローンが多く出るものであれば高く買ってもらえるが、それは銀行側の査定の話。戸建ての査定は建物部分が耐用年数評価で築22年を過ぎればゼロ評価だ。あとは土地価格分のみ。日本の場合はリフォームをしてもおカネをかければかけるだけ評価額では損をしたも同然となる。そういうファイナンスの状況になっている。

その点、マンションは減価がゆっくり。コンクリートは47年償却なので、50年で割ったとしても毎年2%ずつ程度しか価格は下がらない計算だ。物件価格の下落は毎年2.7%近くが平均。10年経って資産価値が20%落ちても、建物元本はそれ以上の27%減る。10年で売ると元本のほうが減っているので、含み益が7%出ている。ローンのつき方が違うので、どうしてもそうなる。住み替えるためには資産性がないとダメだ。

──住み替えが前提ですね。

「10年間で買い替えよ」と言っているのは、テンポラリーな住まいとなるものの、所有権があって、ライフスタイルが充実するうえ、資産も形成できるからだ。一挙両得と言いたい。

メジャー7というマンション売り主大手7社の調査結果によると、最近、マンションを選ぶ一番の理由が資産性になったという。ただし、値上がり益を考えるなら、億ションは港区、渋谷区、千代田区以外では買ってはいけないのが現実だ。

──自宅以外の不動産投資はどうですか。

純然たる不動産投資でキャピタルゲインを手にしても、賃料収入はほどほどで下落したらおしまいだし、いろんな経費もかかる。仲介手数料だけでも6%かかる。それでも儲かったと言い張っている人がいるが、きちんと計算していないだけで、そんなに儲かっているはずはない。

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