速報!アップル「新iPad」は何がスゴいのか 「教科書の再発明」に向けて299ドルに設定

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グーグルが持つ教育ソリューションの強みは、同社が教育機関向けに提供しているクラウド型のアプリケーションシステムと簡単に統合できる点にある。クラウドベースで動作するため、システムのトータルコストを大幅に下げることができる。

グーグルも直前に「対抗製品」を発表

また、クラムシェル型(キーボードとディスプレイを貝殻のように閉じる構造のこと)のコンピュータから、今回発表したタブレット型まで予算や目的に応じて多様な選択肢を選ぶことが可能だ。グーグルの強みは教育機関をサポートするネットワークサービス側にある。その牙城はかなり強固といえるだろう。

(筆者撮影)

Chromebookはノートパソコンのようなクラムシェル型筐体を採用していたが、グーグルは今回のアップルのイベント直前、3月26日にChrome OSを載せた初めての教育用タブレットを発表。その最初の製品として、台湾のエイサーが開発した「Chromebook Tab 10」を発売。価格は329ドルで、エントリークラスのiPadとまったく同じ価格に設定した。

これに対してアップルは今回、グーグルのようなクラウドを通じた効率化やコストダウンといった視点ではなく、教育の現場でのクリエイティビティや自発的な学習を引き出す部分にフォーカスを当てている。またクラウドを経由せずに(すなわちアップルを経由せずに)進捗管理や関連プリント、教材の配布などを行えるよう設計するなど、プライバシーに対する考え方の違いも明確にした。

発表会の詳細については、後ほどレポートする。

本田 雅一 ITジャーナリスト

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ほんだ まさかず / Masakazu Honda

IT、モバイル、オーディオ&ビジュアル、コンテンツビジネス、ネットワークサービス、インターネットカルチャー。テクノロジーとインターネットで結ばれたデジタルライフスタイル、および関連する技術や企業、市場動向について、知識欲の湧く分野全般をカバーするコラムニスト。Impress Watchがサービスインした電子雑誌『MAGon』を通じ、「本田雅一のモバイル通信リターンズ」を創刊。著書に『iCloudとクラウドメディアの夜明け』(ソフトバンク)、『これからスマートフォンが起こすこと。』(東洋経済新報社)。

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