一蘭「外国人不法就労」が他人事ではない理由 現場の会社員が罰金刑を受けるリスクも

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(1)の日本国籍取得者と、(2)の配偶者・永住者・定住者については、特に制限はない。なので、日本人と同じように就労させても問題ない。

一方、(3)~(5)のビザを有する者には制限がある。まず(3)の就労ビザは「研究」「技能」「教育」などの16種類に分かれており、就労可能時間数は日本人と同等である。しかし、そのビザで認められた職種の範囲内でしか就労することができない。

たとえば、フランス料理のシェフとして「技能」のビザで来日した外国人が、転職の意思や能力があるからといって、語学教室のフランス語教師に転職できない。このような場合、改めて「教育」の就労ビザを取得する必要がある。

採用する前に、必ず「在留カード」の確認を

次に(4)の留学ビザを有する者は、週28時間以内でしか就労を認められていない(夏休みなどの長期休暇中は週40時間以内)。

また、留学ビザはそもそも就労を目的としたビザではないので、法務省から「資格外活動の許可」を受けていることを確認したほうがいい。もし雇う側がそれを怠って、雇った外国人が許可を受けていなかった場合は、双方が罰せられる可能性がある。

そして(5)の技能実習ビザは、技能を学ぶために特別な枠で就労許可を受けて滞在しているため、実習先の企業以外で働くことができない。

外国人は、ビザの種類によって就労できる範囲が大きく異なる。採用担当者や人事責任者が、彼らがどのようなビザに基づいて日本に在留しているのかを確認しておかないと、不法就労につながるかもしれない。

観光など短期間の滞在である場合を除き、日本に滞在する外国人は在留カードを保有している。カードには本人の国籍や住所、氏名といった個人情報に加え、ビザの種類も記載されている。

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