JASRAC、徴収開始でも続く著作権料巡る争い 4月1日に「音楽教室」からの徴収開始だが・・・
音楽教室が著作権の使用料を払うか否か――。世間の耳目を集めた争いが“ひとまず”決着した。
3月7日、文化庁の宮田亮平長官は日本音楽著作権協会(JASRAC)による音楽教室での著作権使用料の徴収を容認するとの裁定を出した。これを受け、JASRACは4月1日から音楽教室から著作権料の徴収を開始すると発表した。
交渉は2003年から開始
徴収の対象となるのは楽器メーカーや楽器店が運営する楽器教室で、その数は900事業者が運営する7300施設。当分の間、個人が運営する音楽教室は対象にしないとしている。使用料の種類は年額、月額、曲別使用料の3種類があり、年額の場合は受講料収入の2.5%となる。2018年9月30日までに契約した場合、2018年4月から2019年3月までの1年間の使用料から10%減額する割引も設定した。
著作権切れや、JASRACが管理していない楽曲を音楽教室で使うケースも想定される。その点については、「実態を踏まえて適切な金額設定をさせていただく」(大橋健三JASRAC常務理事)としており、年額の場合、2.5%よりも低い料金を設定する可能性もある。
JASRACと音楽教室側の間で著作権使用料の交渉が始まったのは2003年のこと。きっかけは2000年に一部の業態で、レコード等の録音物の再生演奏について出所を明示さえすれば無料で使用できるという著作権法附則14条が廃止されたことだ。
これによりJASRACはフィットネスクラブやカルチャーセンターなど音楽を利用する業態と交渉を開始し、実際に徴収してきた。音楽教室とも交渉を続けてきたが、2016年ごろからJASRACが交渉の姿勢を強めてきた。
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