「らくらく連絡網」は他のSNSと何が違うのか イオレの吉田直人社長にロングインタビュー
世間の大半の人々がLINEやFacebookをはじめとするSNSを利用している時代。さほど親しくない人ともつながってしまい、発言内容に気を遣うなどの煩わしさを感じている人も少なくないことでしょう。
イオレが運営する「らくらく連絡網」は友だち申請という仕組みが存在せず、学校の部活やPTAなどといった特定の集団内で、広く情報を共有し合えるのが大きな特徴のコミュニケーションサービスです。こうした気軽さと便利さが評判となり、クチコミで会員数が急増してきた「らくらく連絡網」ですが、どのようなきっかけから生まれ、今後についてはどういった可能性を秘めているのでしょうか? 起業家として豊富なキャリアを誇る同社の吉田社長に話を伺いました。
2001年4月設立のイオレは、2017年12月現在で38万団体約670万人が利用している日本最大級のグループコミュニケーション支援サービス「らくらく連絡網」を運営。小中高、大学の部活やPTA、趣味系のサークルなどといった団体のユーザーから絶大なる支持を獲得している。また、獲得した顧客データを活用したセグメント広告や、若年層の短期アルバイトを中心とした求人広告も展開。2017年12月に東京証券取引所マザーズ市場に上場。2016年度(2017年3月期)の売上高は約11億5000万円、営業利益は約1億1000万円。証券コードは2334。
編集プロダクションを手始めにゲーム会社まで起業
小林賢治(シニフィアン共同代表。以下、小林):まずは、御社を設立された経緯について、簡単に教えていただけますか?
吉田直人(イオレ代表取締役社長。以下、吉田):私の場合、簡単にお話しするのは難しくて、かなり長い経緯になってしまいますが、よろしいでしょうか?
まず、私は大学を卒業して広告代理店に就職したのですが、自分がやりたかった仕事内容との相違から、半年で辞め、24歳のときに編集プロダクションを立ち上げました。当初は男性誌にエンタメ系の企画を提案して、その記事の制作を請け負っていました。当時はちょうどバブル経済の真っ只中で企業の広告宣伝予算も潤沢だったので、やがて広告代理店やPR会社のような仕事も手掛けるようになり、業績も伸びて会社も大きくなっていきました。一方で1991年には人材派遣会社も立ち上げ、こちらも経営は順調でした。