「運賃高すぎ」北総線、印西市長が値下げ要求 京成より7倍高い線路使用料が問題に

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北総線の運賃値下げは実現するか(写真:ゆうじ/PIXTA)

運賃が高額なことで知られる北総線は、北総鉄道が京成高砂―印旛日本医大間32.3kmを運営する線で、同社は京成電鉄が株式の50%を保有する京成電鉄の子会社だ。京成の「スカイライナー」は京成上野を出て京成高砂までは京成本線を進むが、同駅からは北総鉄道・北総線に入り、そのあと、千葉ニュータウン鉄道、成田高速鉄道アクセス、成田空港高速鉄道の線路を通って成田空港に至る。京成高砂―成田空港間を総称して成田スカイアクセス線と呼んでいる。

あまりにも北総線の運賃が高額なので、認可した国を相手に住民訴訟が2つ起こされているし、同線に頼らない交通機関として、住民が主体となって運行を開始した路線バス「生活バスちばにう」も最近、新路線運行を開始するなど話題となっている。その高額運賃ぶりと住民運動の動きについては2017年9月7日付東洋経済オンライン記事「『運賃高すぎ』北総線の値下げは可能なのか」に詳しいのでご覧いただくとして、先月21日に大きな動きが加わった。北総鉄道の運賃の高さは、多額の債務と乗客の伸び悩みが理由とされているが、同鉄道の他社との契約関係も取りざたされている。株主としての印西市(板倉正直市長)がこれに注目し、運賃値下げ要求書を出したのだ。

モノ申す株主としての印西市長

北総鉄道は株式会社だが非上場で、主な株主は京成電鉄(50%)、千葉県(22.29%)、独立行政法人都市再生機構(17.27%)等、沿線6自治体の市川市、船橋市、松戸市、鎌ヶ谷市、印西市、白井市もわずかだが株を持つ。印西市長の板倉正直氏はこれまでも株主総会で運賃値下げを求めてきたが、今回、北総鉄道が千葉ニュータウン鉄道に対して支払う線路使用料が高額すぎるとして、それを引き下げ、その金額を原資として運賃を値下げするように北総鉄道、千葉ニュータウン鉄道、京成電鉄に要求したのだ。

成田スカイアクセス線の鉄道会社の関係は複雑だ。下図にその関係を示した。

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