小田急vs京王「多摩の陣」で最後に笑うのは? 春のダイヤ改正で通勤スタイルが様変わり
「座席指定列車の導入はダイヤ改正の大きな目玉だ」――。京王電鉄は2月22日に行うダイヤ改正の詳細を1月24日に発表。京王の紅村康社長は自社初の座席指定列車「京王ライナー」の導入に大きな自信を示した。
鉄道事業者のダイヤ改正はいわば年中行事であり、特段珍しいことではない。リリース数枚を配るだけで終わりという事業者も多い中、記者会見を行い、社長が自ら内容を説明するのは異例だ。しかも、自社グループ保有とはいえ、京王プラザホテルの宴会場を借り切っての発表というところに、ダイヤ改正にかける京王の意気込みが感じられる。
小田急は複々線化で快適通勤を実現
京王が今回のダイヤ改正に並々ならぬ力を入れたのは、ずばり、営業路線で競合関係にある小田急電鉄のダイヤ改正に対応する必要があったからだ。小田急が30年近くにわたって進めてきた複々線化工事がようやく完了。3月17日から小田急が実施する新ダイヤには、複々線効果が存分に取り入れられる。
朝ラッシュ時の混雑やノロノロ運転が、小田急利用者の間で大きな不満となっていた。それらがダイヤ改正で劇的に改善される。ラッシュピーク時の輸送力を4割増強し、混雑率を192%から150%程度へ軽減、都心方面への所要時間が短縮する。着席通勤できる有料特急や始発列車も増え、いいことずくめ。複々線化によって線路容量が2倍になったことで実現可能になった。「快適性が格段に向上し、当社の優位性が高まる」。小田急の星野晃司社長は自社線への利用者シフトに大きな自信を見せる。
おまけに小田急はダイヤ改正に合わせて新型ロマンスカー「GSE」も導入する。箱根などの観光特急として使われるが、座って通勤できる通勤ライナーとしての活用も決まっている。
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