「JPN TAXI」新世代タクシーの知られざる実力 日産「NV200タクシー」とは何がどう違うのか

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車いす仕様車はNV200タクシー・ユニバーサルデザインと名付けており、スライドドアからでなくリアゲートからアクセスする。福祉車両でおなじみの手法で、車いす利用者はこの方式に慣れているだろうし、運転手が補助する際の移動距離が短いというメリットもある。

NV200バネットタクシーの車内(筆者撮影)

シートはかなり高めで直立に近い姿勢で座る。乗り降りしやすいし前方の見晴らしも良く好ましい。

しかし車内が暗いことは気になった。サイドウインドーが小さいうえに、さまざまなステッカーがそこを埋めているためだ。せめてステッカーを貼る場所だけでも考え直してみてはどうだろうか。

乗り心地は硬めで、しっとり感はあまりなく、シートで衝撃を吸収する感触だった。昔乗ったことがあるロンドンタクシーを思い出した。全般的にフワフワしているが段差などで鋭いショックがくるコンフォートやセドリックより、個人的には着座位置を含めて好みだった。

乗り降りは楽だが…

次はJPN TAXI。スライドドアはNV200と同じだが、屋根も床も低い。それでもコンフォートやセドリックに比べれば乗り降りは楽だ。窓の大きさはNV200とは対照的。もちろん眺めが良くて気持ちいい。ただ残念なのは後席が低く、背もたれが大きく傾いていて、セダンのような姿勢になることだ。

車いすは左側スライドドアからアクセスし、後席座面を跳ね上げ助手席を折り畳むことで前向きに固定する。ちなみにロンドンタクシーは後ろ向き固定となるが、車体が180mm長いうえに、NV200のように高い位置に座る後席はかなり後方にセットしてあるので、シートを畳む必要はない。

JPN TAXIの車内(写真は運転手の了解を得て撮影しています。筆者撮影)

JPN TAXIも後席を高く後方にセットすれば、乗り降りははるかに楽になったはずだし、座面を跳ね上げる構造にするだけで車いすを収められたのではないだろうか。

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