「Apple Watchで命を救う」アップルの挑戦 スポーツの次なるターゲットは「医療」だ
アップルは昨年11月、不規則な心臓リズムを検出するアプリ「Apple Heart Study」を米国向けにリリースした。アップルはスマートウォッチ「Apple Watch」を、命を救う道具として活用しようとしている。
友人関係、コミュニケーション、位置情報、決済など、さまざまなデータがスマートフォンに集められるようになる中で、自分の健康に関するデータはいまだにその多くが収集されていないままだ。多くの健康な人にとってはさほど必要性を感じないかもしれないが、なんらかの疾患がある人、体調やその変化に注意しなければならない人にとっては、スマートフォンはデータの収集と記録、異常の検出にはよいデバイスといえる。
しかしスマートフォンをポケットに入れているだけではなかなか、体調に関するデータを集めることはできない。そこで、フィットネストラッカーやスマートウォッチといった、より自然につねに身に着けられるほかのデバイスでのデータ収集が必要になる。「Apple Watch」はまさにうってつけというわけだ。
順調に進化してきた「Apple Watch」
アップルは、初代Apple Watchを2014年9月に発表、2015年4月に発売。2016年にはApple Watch Series 2が防水機能を強化してスイミングに対応し、2017年のApple Watch Series 3ではiPhoneと同じ番号で単独での通話・通信が可能なセルラーモデルを追加した。
シリーズ当初からApple Payに対応し、手首でのモバイル決済を提案。2016年には日本でのApple Pay導入の目玉としてSuicaをサポートした。また単独での通信に対応したことで、屋外でのエクササイズにスマホを持つ必要がなくなり、より完成されたワークアウト環境を実現している。
アップルはこれまで、販売台数に関する数字を明らかにしていないが、2017年8月に発表した2017年第3四半期決算では「前年同期比50%増」であることを報告している。また2017年9月12日のイベントでは、世界の時計メーカーの売上高でApple Watchが首位となったと発表した。
それまで1位だったロレックスは2016年、年間で100万本の時計を販売し、47億ドルの売上高となっていた。Apple Watchはこの金額を上回ったと発表したことから予測すると、アップルは平均価格330ドル程度のApple Watchを、年間で1500万台、四半期ごとに300万~400万台のApple Watchを販売していると予測することができる。
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