2018年に投資家が注視すべき2つのチャート

米国利上げの影響と中国の経常収支がカギだ

次のバブル崩壊がどこから始まるのかを事前に把握することは難しい。

例えば、米国の家計ローン残高は12兆ドルを上回る水準まで拡大しているが、その内容は住宅ローンよりも学生ローン、自動車ローン、クレジットカードローンの比率が高まっている。これら3つのローンは、低所得者向けの貸出比率(サブプライム比率)が12~30%程度と、住宅ローンの7%程度に比較して非常に高い。

また、FRBによる利上げが継続する中で、金融機関の貸し出し態度は2017年を通じて悪化し続けていた。次のバブル崩壊が、こういった米国の家計ローンに端を発するのか、それとも新興国の通貨の動きが経常収支赤字国の債務問題を引き起こすのか、バブルを事前に把握することは難しい。しかし、過去の経験則からすると、米国の逆イールドの発生がそのリスクを高める可能性は十分にあるだろう。

利上げ期にはヘッジファンドのパフォーマンスが上昇

投資の視点から見れば、拙速の利上げが意識される場合はその影響が及ぶリスクを分散するべきだ。たとえば、債券でみれば利上げは直接的に短期の金利に影響を与えることから、金利変動が少ない長期の国債のほうが短期の国債よりも望ましい。特に拙速な利上げが景気後退懸念を引き起こすのであれば、利上げによっても長期の金利はほとんど動かない。

また、過去30年のデータから見ると、利上げ期はヘッジファンドのパフォーマンスが上昇することがわかっている。利上げリスクの分散として資産の一部を超長期の債券やヘッジファンドに移すことを検討しても良いだろう。

もう1つ、注目すべきリスク要因は中国だ。前述のように2017年のグローバル経済の好調は中国の恩恵が大きかった。今後の中国は、全体的な方向として成長率は徐々に鈍化していくものの、省力化投資や電気自動車、インフラ輸出など新しい需要創造により堅調な成長が続くと予想する。

しかし、2017年10月の共産党大会を受けて習近平が政治的主導権を強める中、シャドーバンキングやオフバランスシート(バランスシートに載っていない)負債の引き締め政策が強化されている。規制強化によって国内資金の流出が再び加速してしまうと、内需に十分な資金は回らず、通貨・元は再び下落し始め、政策引き締めのペースが速まる悪循環に陥りかねない。そうなると、市場では中国のハードランディング懸念が再び出てくる。

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