1989年の「日経平均3万8915円」は余計だった
中野:10月の日経平均株価は16連騰。11月に入っても日本株は強い、強い。はたして、日本株はバブルなのでしょうか。
渋澤:日経平均が16連騰したとか、20年数年ぶりの水準に達したとか、いろいろ言われますが、私は日経平均株価だけを見て、今の株式市場がバブルかどうかを判断するのは、ナンセンスだと思っています。
日経平均は1989年12月29日に過去最高値をつけたわけですが、当時は、今の株高をリードしているファーストリテイリングも、ソフトバンクも、225銘柄には入っていませんでした。一方で、日経平均は過去最高値を更新していませんが、個別銘柄で見れば現在、株価が過去最高値を更新している企業がたくさんあります。それも新興企業ではなく、資生堂のようなオールド企業の中に、この手の企業がたくさん見られます。それだけ業績が良好だと見ています。
藤野:1990年当時、日経平均の平均PER(株価収益率)は約80倍でした。それが今は約16倍に達するかどうかというところです。仮に、1990年の日経平均株価をPER16倍で換算すると、当時の日経平均株価は大体8000円程度です。この大きなバブルを除いて考えると、今がほぼ2万3000円ですから、日本の株式市場は右肩上がりになっても不思議ではない。要するに、1989年12月29日の3万8915円というバブル高値は、本当に余計なものだったということです。もし、あの余計なバブルさえなかったら、投資はもっと人々の間に根付いていたでしょうね。
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