来年の就活、企業は「ここ」を変えてくる インターン直結が鮮明、3月前倒しは当たり前

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2000年代にインターンシップは普及していき、単位認定する大学も増えていった。しかし問題も生じた。1つは、サービス業などで、学生を低廉な労働力として働かせたこと。もう1つは、就労体験とは言えない半日や1日で会社の概略だけ説明して終わるような、”名ばかりインターンシップ”が横行したことだ。

当初、1Dayインターンシップに厳しい姿勢を打ち出したのは、経団連だった。2011年3月に改定された「採用選考に関する企業の倫理憲章」で、就業体験を提供する5日間以上のプログラムのみをインターンシップとし、採用選考活動に関わるプログラムには「インターンシップの呼称を使わないことが望ましい」、とした。

この方針によって、1Dayインターンシップはいったん減少したものの、2年前の2016年卒採用から、採用募集を行う解禁日を12月から3月に後ろ倒ししたことで、12月から2月の時期に、短期間のインターンシップを実施する企業が急増した。そして実態に合わせる形で、経団連も前述の通り、日数規定を廃止するに至った。

インターンシップの定義から言えば、人事部主導で行う1Dayインターンシップは、本来のインターンシップとは言えない。とはいえ、「正しいインターンシップ」「本来のインターンシップ」という論議は、理念に足をすくわれているようにも感じられる。インターンシップは、若者に成長の機会を与えるものなのだから、1Dayであっても学生の”気づき”に役立つなら、それは有意義だと思う。学生には1社でも多くのインターンシップに参加し、ぜひ多くの気づきを得てほしい。

「3月開始」が最多、早期化が進んでいる

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「選考」の早期化も気になるところだ。企業に「選考開始時期の対前年比較」を聞いたところ、「遅くなる」とする企業はほとんどなく、「変わらない」が7割台となった。そして「早くなる」が2割台である。このトレンドは、ここ3年変化してない。

ただ、具体的な選考開始時期を聞くと、過去2年間は4月に始めるという企業が多かったが、2019年卒では、様相が変わっている。4月スタート企業は約20%に後退し、一方で、3月スタート企業が30%に増加、3月と4月が逆転する結果となった。選考開始がさらに早まることが予想される。

一方、内定出しの開始時期は、それほど変化は見られない。2018年卒の内定出し開始時期は4月が21%(前年23%)、5月が最多で、24%(前年26%)、選考解禁の6月は17%(前年19%)となっている。

佃 光博 HR総研ライター

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つくだ みつひろ / Mitsuhiro Tsukuda

編集プロダクション ビー・イー・シー代表取締役。HR総研(ProFuture)ライター。早稲田大学文学部卒。新聞社、出版社勤務を経て、1981年文化放送ブレーンに入社。技術系採用メディア「ELAN」創刊、編集長。1984年同社退社。 多くの採用ツール、ホームページ製作を手がけ、とくに理系メディアを得意とする。

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