統合反対の創業家、出光株を1%弱買い増し 大量保有報告書で明らかに

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 12月18日、昭和シェル石油との経営統合に反対する出光創業家が出光興産の株式を1%弱買い増していたことが、同日提出された大量保有報告書で明らかになった。写真は都内で10月撮影(2017年 ロイター/Kim Kyung Hoon)

[東京 18日 ロイター] - 昭和シェル石油<5002.T>との経営統合に反対する出光創業家が出光興産<5019.T>の株式を1%弱買い増していたことが、同日提出された大量保有報告書で明らかになった。

出光昭介氏ら創業家の代理人、鶴間洋平弁護士は、出光興産が行った公募増資で減少した株式保有割合を部分的に回復させるために行ったと説明している。

出光興産は7月、発行済み株式数の3割に当たる新株を発行し、約1200億円を調達した。その結果、創業家の議決権ベースの株式保有割合は26%台に下がったとみられる。

保有割合は合計で28%超に

創業家の資産管理会社である日章興産などが提出した変更報告書によると、買い増しの結果、同社や出光昭介氏ら共同保有者の保有割合は、17.37%から18.2%に上昇した。

鶴間弁護士は、出光美術館と出光文化福祉財団の保有する出光興産株を含めると、保有割合は合計で28%を超えるとしている。

創業家の主張する保有割合について、ロイターは出光興産側から確認はとれていない。

昭和シェルとの合併には株主総会で3分の2以上の株主の賛成による特別決議が必要。

増資により創業家単独での統合阻止は不可能になっており、「創業家の反対の意思に、いささかの揺るぎもない」(鶴間弁護士)とするなか、他の株主の賛同が得られるかが焦点になる。

(浦中大我)

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