ニコ動が崖っ縁、「独りよがり」新機能で炎上 会長が自ら謝罪、古参動画サービスの危機

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ドワンゴの新動画サービス「ニコニコ(く)」の発表会で、川上量生会長の発表内容に批判コメントが殺到した(記者撮影)

「我々運営が積極的に取り組まなければいけない基本的な部分がおざなりになっていた事、ユーザーの皆さんの不便や不満点に十分目を向けてられていなかった事について改めて深くお詫びさせて下さい」――

11月30日。カドカワ傘下、ドワンゴの開発者ブログ「ニコニコインフォ」に、川上量生・ドワンゴ会長がそんな”謝罪文”を投稿した。同社が11月28日に開いた新サービス「ニコニコ(く)(読み方:クレッシェンド)」の発表会の内容を受け、ユーザーから批判が殺到したためだ。

満を持しての新機能を投入したが…

ニコニコ(く)は、いわばドワンゴが展開する新たな動画サービスの総称。この中に「ニコニコ動画」「ニコニコ生放送」という個別のサービスがあり、今回は3つ目として、動画・生放送・双方向コミュニケーション・映像合成などを一体化させた「ニコキャス」の提供を始める。

スマホでの「ニコキャス」の再生イメージ(記者撮影)

ニコキャスには配信者と視聴者の双方向性を追求するための、さまざまな機能を盛り込んだ。配信者と視聴者が一緒に楽しめるゲームやアンケートの機能、自分がライブ配信する画面に別の動画・生放送を引用配信できる機能、PCでのライブ配信中にスマートフォンのカメラからの撮影に切り替えられる機能などだ。

だがこれらの新機能発表に対し、発表会に来場した一般ユーザーやライブ配信視聴者の不満が爆発した。多くが「新機能追加の前に、基本性能である画質や読み込みの重さを改善してほしい」というものだ。こうした要望はかなり以前から寄せられている。今年に入ってからはスマホアプリの高画質化やライブ配信時の遅延抑制、タイムシフト再生時の画質の向上などに取り組んだものの、まだユーザーの要求水準に達していないようだ。

開発・発表が遅れ、ニコニコ(く)のサービス開始が当初予定の2017年10月末から2018年2月末へと後ろ倒しになったことも、ユーザーの不満の原因となった。満を持しての発表会であったのに、高画質化、高速化に関連する説明はごく簡単なプレゼンにとどまり、質疑応答でその点を問われた川上会長が「根が深い問題。あと半年待ってほしい」と答えたことが火に油を注いだ。

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