「かつや」運営社がすかいらーくを訴えたワケ 飲食業界でいまだ止まない模倣合戦の本質
「からやま」と「からよし」
とんかつ店チェーン「かつや」を主力とするアークランドサービスホールディングスが、外食大手のすかいらーくを相手取り、東京地裁に仮処分を申し立てた。
問題になっているのは、すかいらーくが今年10月からチェーン展開を始めた唐揚げ専門店「からよし(あるいは「から好し」)」(3店舗)。アークランドが2014年から首都圏を中心に約30店を運営する唐揚げ専門店「からやま」と似ている点が多いとして、不正競争防止法に基づいた店名の使用中止などを求めている。
アークランドが主張する模倣の主な点は8つだ。
② 懸垂幕・バナー「からあげ定食590円(税抜)~」「からあげ100g 240円(税抜)~」「お弁当・お惣菜」
③ チャンネル文字看板(黒字または赤地に白抜き)
④ 内装全般(客席・厨房レイアウト・オープンキッチン等)
⑤ メニュー(商品名・構成・価格等)
⑥ コンディメント(容器・配置・中身の塩辛と割り干し大根、ゴマドレッシング・マヨネーズ)
⑦ 注文伝票
⑧ 従業員のユニホーム(黒のTシャツ)など。
アークランド側は、「何から何までそっくりで、このままでは『からよし(から好し)』を訪れたお客さまが、『からやま』と勘違いするおそれがある」と主張する。アークランドサービスホールディングスの臼井健一郎社長はこう話す。
「今は魅力ある業態には大手でもFCに加盟し、店舗展開を行う時代です。当社には『かつや』のFCにはサトレストランシステムズ(大阪市)、康正産業(鹿児島市)などが加盟しております。また唐揚げ専門店の『からやま』には『築地銀だこ』のホットランドが加盟しています。私がこの度、すかいらーくを訴えた最大の理由は、FC加盟店とブランドを何としても守らなければならないと思ったからです。秩序やルールを守るのは大切なことだと思います」
これに対して、すかいらーくは「まだ訴状が届いていないのでコメントは差し控える」(広報チーム)としている。
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