DMMがあの「CASH」を70億円で買収するワケ 社員6人のスタートアップのどこが凄いのか

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
「CASH」を展開するバンクの光本勇介CEOとDMM.comの片桐孝憲社長(筆者撮影)
DMM.comが、まだ生まれたばかりのスタートアップを70億円で買収する。中古のスマートフォン、バッグ、靴など、売りたいモノの写真とブランド、コンディションを入力すると、その場で買い取る「CASH」というサービスを展開するバンクだ。
2017年の6月にサービスを始めたばかりで、社員数6人の会社にポンと70億円を出すDMM.comの狙いは何か。なぜDMM.comの傘下に入るのか。DMM.comの片桐孝憲社長とバンクの光本勇介CEOに聞いた。

 

——「CASH」とはどんなサービスなのか教えてください。

光本:簡単に言うと、スマホやバッグ、靴などユーザーが持っているアイテムの写真を送ってもらえれば、瞬時に買い取ってキャッシュに替えるサービスです。

——先にお金を送ってしまうのですか。

光本:そうです。アイテムは2週間以内に送ってもらえばいい仕組みです。手持ちのアイテムがその場でキャッシュに変わるイメージですね。日時を指定してもらえば、集荷もこちらでやりますから、利用者は本当にアイテムの写真を撮るだけでいいのです。我々は買い取ったアイテムを中古市場に転売します。

「悪い人はそんなにいない」という性善説に立っている

——お金だけ受け取って、アイテムを送ってこない人がいるんじゃありませんか。

光本:そこは一種の社会実験だと思っています。普通のサービスは、おっしゃる通り「お金だけ受け取って、アイテムを送ってこない人がいるんじゃないか」と言う性悪説に立って設計されています。

「CASH」は「悪い人はそんなにいない」という性善説に立っています。悪い人がたくさんいたら困るけど、実際にはそんなに大勢いないんじゃないか。だったら先にお金を払っても大丈夫なんじゃないか。その方がお客さんは便利だよね、という発想です。

次ページ性善説は通用したのか?
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事