中国不動産バブルの崩壊による不良債権の発生が懸念されている。

中国銀行業監督管理委員会によると、中国の銀行が抱える不良債権残高は、2013年6月末で5395億元(約8.6兆円)に過ぎない。しかし、これが事態を正しく伝えている保証はない。

米国の投資銀行ゴールドマン・サックスは、8月5日のTop of Mind(最大の関心事)というリポートの中で、「中国の不動産バブルが崩壊すると、最悪で貸倒損失が18.6兆元(約297兆円)になる」との試算を示した。これは、中国当局が認める公式額の34倍だ。

リポートは、「実際の貸倒損失はこれより少額におさまり、段階的に発生する公算が大きい」としている。しかし、仮にそうであったとしても、巨額の貸倒損失の可能性を米国の代表的投資銀行が認めたこと自体が深刻と、市場で受け止められた。しかも、同社は今年の5月に、中国の最大手国有銀行、中国工商銀行の持ち株をすべて売却している。

8月28日には、フィナンシャル・タイムズが、中国の不良債権が21兆元(GDPの40%)というモルガン・スタンレーの推計を伝えた。

前号で述べたIMFの対中審査報告の「拡大された政府の財政赤字」残高は、12年でGDPの45%だ。12年の中国の名目GDPは51.9兆元なので、残高は23.4兆元になる。ゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレーが推計する不良債権額は、この8~9割に相当する。

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