27歳独身女性が「彼氏をもう1人」つくる事情 そこにはマンネリの関係や承認欲求がある

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3つ目が、ファースト彼氏とセカンド彼氏の間に明白な「格差」が存在することである。たとえば、年齢に焦点を当ててみると、ファースト彼氏の年齢が彼女たちと同年代の20代後半であることに対して、セカンド彼氏はそれより10歳程度年上である。

そうすると、デートにおける立ち居振る舞い、美食レストラン情報の深さ、仕事への習熟度など多くの分野において、セカンド彼氏のほうが相対的に優秀な能力を持った男性に見える。

大人の余裕や包容力

その最たる能力が経済力である。年収面で比較してみても、ファースト彼氏の年収はそもそも不安定であったり、安定していてもせいぜい500万円程度であったりするのに対して、セカンド彼氏は年収が1000万円を超えるなど、ファースト彼氏より明らかに経済的な余裕がある。

ファースト彼氏に対してマンネリを感じていたり、不満を募らせていたりする女性にとって、ファースト彼氏より明らかに好条件な男性が目の前に現れてくれば、そうした男性に魅力を感じるのは至極当然であろう。

こうした条件がそろったとき、女性が魅力的な男性に対して思慕の情を持つことは想像に難くない。とはいえ、彼女たちも長い期間交際しているファースト彼氏に対して人間としての信頼感や情はあるし、不貞を働くのであれば多少なりとも罪悪感は持つはずだ。

それが証拠に、真由美さんのケースでも優香さんのケースでも、ファースト彼氏はセカンド彼氏の存在を知らない。当たり前だが、彼女たちはファースト彼氏に秘密でセカンド彼氏と交際している。ファースト彼氏はまさか自分の彼女がほかの男性と交際しているとは夢にも思っていないのだ。

ではなぜ、彼女たちは、それが後ろめたい行為だと理解していながら、セカンド彼氏のもとに走ってしまうのか。それは各人によってそれぞれ事情が異なる。

真由美さんの場合、セカンド彼氏を作る理由は、「ファースト彼氏に対する不満の穴埋め」だ。これは20代後半女性がセカンド彼氏を作る最も典型的な動機である。

真由美さんのファースト彼氏に対する不満は、とにかく彼が子どもで自分のことしか見えていないことだ。

「家事は全然手伝ってくれません。仕事がある日も友人たちと飲んで朝帰りをして、平気で寝坊して仕事に遅刻もします。遊びと仕事を両立させることができていないし、27歳にもなって社会人としてどうかと思います」

と語る真由美さん。最初のうちは注意をしていたが、まったく耳を貸さないので今や完全に放置状態だ。また、前述のように浮気の兆候が見えるのも不満の種である。

それに対して、セカンド彼氏は大人だ。真由美さんは言う。「食事にしてもデートにしても、私の好きそうなところを酌み取ってくれて、全部決めてくれます。そういうところに、大人の余裕や包容力を感じます。」

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