中国"バブル世代"は苦労知らずの楽観主義者 一方で祖先や家族に対する義務も重視
[武漢 17日 ロイター] - 民主化運動が弾圧された天安門事件以降に生まれ、空前の経済成長下でほとんどが一人っ子として育ち、近年で最も強力な指導者、習近平氏が権力に就く時に成人した──。彼らを、中国の「バブル世代」と呼ぼう。
繁栄と平和の中で育った世代であり、彼らの祖父母や親の世代が味わった「吃苦(苦しみに耐える)」を体験することなくここまできた。
2012年に大学を卒業した男女10人に取材
習氏が任期5年の国家主席として再任されるにあたり、ロイターは「バブル世代」の若者をより深く知ろうと、習氏が国家主席になった5年前の2012年に大学を卒業して就職した男女10人に取材した。
彼ら「2012年組」は、1990年代にこの国に生まれた1億9000万人の若者のほんの一部だ。しかし「習近平の中国」と、その遺産を引き継ぐ世代の内情について、重要な洞察を与えてくれた。
彼らは北京、上海、成都、武漢、そして湖北省蒲団などに住み、家庭環境は多様だ。彼らの親も、工場の元所有者や、飲食店経営者、医者、建設作業員、役場職員や、学校の事務員と多岐にわたる。
彼ら10人は、北京にある中国有数の経済系大学、武漢にある地方大学、成都にある技術大のいずれかを卒業しており、限られた人数しか高等教育を受けることのできない中国では、恵まれているといえる。
それぞれの経験は時に大きく異なるが、共通項も多い。