オリンパス、ミラーレス特化で敷く背水の陣 一眼レフは開発凍結、コンパクトも高級機に絞り込み

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デジタルカメラで慢性的な赤字を続けるオリンパスが、事業再建に向けた新たな方針を打ち出した。一眼レフの新製品開発から撤退し、レンズ交換式は独自技術を持つミラーレス一眼に経営資源を集中する。

「(新製品で)新しい世界を切り開く」。

一眼レフとミラーレスを統合する新製品を投入

9月10日、ミラーレスのフラッグシップ機となる新製品の発表会見で、オリンパスの笹社長(=タイトル下写真中央=)は宣言した。この日発表したミラーレスの新製品「OM-D E-M1」は新しいオートフォーカス方式を採用し、これまでオリンパスが展開してきた一眼レフ用交換レンズへも対応。この新製品を従来の一眼レフとミラーレスを統合する製品に位置づけた。その上で笹社長は、「一眼レフの新製品開発は考えていない」と、一眼レフ本体からは撤退する考えを示した。

ミラーレスに特化する決断は、オリンパスのデジカメ事業が“瀬戸際”に追い込まれていることを意味する。

過去3期にわたって、オリンパスはデジカメ事業で赤字を続けてきた。一眼レフではキヤノン、ニコンの2強に挟まれ存在感をほとんど出せず、スマートフォンの普及に伴って、市場が急縮小するコンパクトデジカメでも苦戦。すでに発表済みの中期経営計画で「低価格機種の開発中止によるコンパクトカメラの機種大幅削減」により、防水タイプなど高級なコンパクトデジカメに絞り込む戦略を決めている。

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