子どものカネを収奪する「経済的虐待」の真実 虐待された当事者が手紙に書き記したこと

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母親の「貯金は私が」という言葉を信じていました(写真:NOBU / PIXTA)
厚生労働省は、高齢者虐待には認めている「経済的虐待」を、子ども虐待には認めていない。しかし、現実には子どものカネを勝手に奪う親もいれば、子ども手当をパチンコに使う親もいる。ほかにも、まだ厚労省が認めていない虐待のタイプは山ほどある。
もっとも、いじめがそうであるように、子ども虐待も「何が虐待か」を判断する権利は被害者の子ども自身にあるはずだ。そのように、虐待される側の「子ども目線」を獲得しなければ、有効な虐待防止策は作れないだろう。
そもそも子どもたちは、義務教育課程ですら「虐待とは何か」を教えられないままだし、虐待されても親を訴えることが事実上できない。一方的に強者から支配され、文句1つ言えない無力な存在を、世界では「奴隷」と呼ぶ。
『日本一醜い親への手紙 そんな親なら捨てちゃえば?』(dZERO刊)に収録された100通の手紙から3日連続で1通ずつ紹介する本企画の最終回は、中国地方に住んでいる34歳の女性の書いた「親への手紙」だ。

子どもの自立を妨害する「経済的虐待」

母へ。受験の申し込み段階で、「女を大学にやって遊ばせる無駄金はありません」とあなたに言われ、土下座しても志望校を受験させてもらえなかった。高3の秋から就活をしてもまともな会社が残ってるはずもなく、就職浪人をすることになった私に「なぜ今まで何もしてなかった。どうしようもないクズだ」。

私は、在学中から受験費用を貯めようとしていました。交通費だってバカにならない。けど、バイトをしようとすると「門限があるから許さない。こづかいは十分あげてるからやりくりしろ。ひまがあるなら家業を手伝え」と止めましたね。

体力がなくて、山から山へのアップダウンが激しい片道1時間の自転車通学は無理なのに、定期代もくれません。友人は全員バス・電車通学だったのに。おこづかいはすべて交通費に消え、ほしいものも買えず、受験費用が捻出できるわけもない。安く都合よく使える労働力がほしかったんですよね?

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