稲盛和夫にハマる中国人が抱える「深い悩み」 拝金主義に不安を感じる人が「指針」を求め…
「なんだろう? これは……」
扉を開けるなり、異様なほどの熱気が伝わってきた。中国の南の玄関口・広州。指定された雑居ビルの中にあるインナーメーカーの会議室に足を踏み入れると、目をキラキラと輝かせた男女、約50人が一心不乱に講演者の話に耳を傾けているところだった。
「広州でこの日に『盛和塾』の勉強会があるようなのですが、ご興味があるのなら、取材できるか、連絡してあげましょうか?」
全塾生の3分の1が中国人
広東省在住の友人から紹介されたのが盛和塾だった。日本を代表する経営者、稲盛和夫氏の「人生哲学」や「経営哲学」を学ぶ勉強会、それが盛和塾だ。国内外に1万人超の塾生がいるが、中でも人気が高いのが中国。なんと全塾生の3分の1に当たる3600人が中国人といえば、驚く人もいるのではないだろうか。
なぜ、稲盛氏の教えがそんなに中国人に受け入れられるのか? 稲盛氏のどこに中国人は魅力を感じるのか?
中国の書店をのぞくと、ほとんどの店で稲盛本は平積みされていて、つねに大人気であることは以前から知っていたが、実際に塾生の生の声を聞いてみたいと思ったのだ。
会議室には張りのある元気な声が響いていた。
「会社が行き詰まったとき、経営で悩んでいたとき、稲盛先生のご著書がどれほど私の助けになったかわかりません。毎日熟読しています。稲盛先生の教えで、この会社も、私も救われたのです」
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