知られざる大動脈「神戸高速線」はどう変わる

阪急と市営地下鉄、直通実現なら何が起きる?

北神急行と神鉄の接続駅である谷上駅。写真の列車は北神急行線に乗り入れた神戸市営地下鉄の車両(筆者撮影)

神戸市営地下鉄西神・山手線は、東側の終点であり山陽新幹線と接続する新神戸からは北神急行電鉄北神線に乗り入れ、神鉄との接続駅である谷上に至る。この北神急行も、施設を保有する第3種鉄道事業者は神戸高速鉄道である。

北神急行はもともと神戸電鉄のバイパス路線として、阪急や神鉄などの出資により1988年に走りはじめた。トンネル建設の費用が経営を圧迫したこともあり、2002年に施設を神戸高速に委譲して上下分離化したが、その後神戸高速が阪急阪神HDの一員になったため、結果的に上下とも同じグループに属することになった。

しかしながら神戸高速は、神戸市も依然として出資する第三セクターである。この立場を生かし、駅の改良工事を行う際に国土交通省から改良工事費用の補助を受けるべく事業主体となっており、それが契機となって阪神の岩屋駅や甲子園駅などの一部施設も保有している。ただし、神戸高速が施設を保有する駅があるのは阪神と山陽に限られており、こちらも広い目で見れば阪急阪神グループ内でのやりとりということになる。

阪急の市営地下鉄乗り入れは?

今後、神戸高速に関する動きはあるだろうか。1つ考えられるのは、以前から噂にのぼっている阪急の市営地下鉄西神・山手線への乗り入れだろう。阪急は震災で被災し解体した三宮駅舎を高層ビルとして生まれ変わらせるプロジェクトを進めているが、その一環として神戸線を地下化し地下鉄と直通運転したいという展望も描いている。

阪急が山陽への乗り入れを中止した理由の1つに、山陽の駅ホームが6両までしか対応していないという長さの問題があった。市営地下鉄西神・山手線も山陽と同じ6両編成で運転しているが、ホームは8両分確保してある駅が多く、軌間も同じ1435mmなので制約は少なそうだ。西神のニュータウンと梅田が直結されれば沿線住民の利便性は増す。

もしも阪急神戸線の地下鉄乗り入れが実現すると、阪急三宮-高速神戸間はお役御免になるが、筆者はこれを神鉄の三宮乗り入れに活用してはどうかと提案したい。湊川から東にカーブして高速神戸に至るトンネルを掘り、阪急神戸高速線区間の軌間を現在の1435㎜から神鉄の1067mmに直す必要があるが、新線建設に比べれば負担は少ない。神鉄は、鈴蘭台から西へ延びる粟生線の赤字が深刻な問題となっているが、神戸市の中心である三宮まで直行できれば状況が変わる可能性がある。

いまや阪急・阪神・山陽・神鉄・神戸高速のすべてが同じ企業グループの下にある。しかも来年は神戸高速開業50周年。スケールメリットを生かした改革を期待したい。

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