日本流「ホーム乗車位置」は英国で根付くのか なぜか不満の利用者も…その理由は?
ロンドン中心部を縦貫する地下鉄ビクトリア線。1969年に開業した同線は、ロンドン地下鉄では2番目に新しい路線として知られ、同地下鉄の中では長い8両編成の列車が、ラッシュ時には数分おきに行き交う。
そのビクトリア線キングスクロス・セントパンクラス駅のプラットホーム上に、最近になって緑色のペイントが施されたことが注目を集めている。これはドア位置を示すもので、緑色のペイントがある所へ立てば、ちょうどドアが目の前に来る、というものである。なんのことはない、つまりは「乗車位置目標」である。日本人の感覚からすれば珍しくもない。だから何なのだ、という話である。
欧州の駅に「乗車位置」はない
だが、イギリスを含む欧州の事情をよくご存じの人ならば、まさかドア位置を示す表示が欧州にも誕生するとは、と驚くかもしれない。日本のように、乗車位置をきちんと定める文化そのものが欧州にはなく、乗客はみなプラットホームの思い思いの適当な場所に立ち、列車が到着すればドアへ向けて移動するのが一般的だからだ。
では、欧州では列車は毎回違う場所に停車するのかといえば、そうでもない。適当なように見えて、英国や欧州大陸でも、停車位置がまったく定まっていないということは少ない。日本のように停止位置目標から誤差±十数cm以内に停車するのが当たり前ではないだけで、プラットホームのだいたいこの辺に停まる、という目安は決まっている。
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