希望の党「公認候補リスト」の残念すぎる面々 「野党共闘派」が残存、「身内候補」を優遇…
希望の党は10月3日、第1次公認候補リストを発表した。小選挙区で191名、比例区(単独)で1名の計192名の候補を擁立。このうち110名が民進党からの合流組が占めている。
同党代表である小池百合子東京都知事が掲げる「排除の論理」によって選定されたのは、いったいどのような面々なのだろうか。このリストが公表される前に、「内定リスト」がいくつか出回った。さらに「排除リスト」なるものも流布された。いずれも希望の党の内部から流出したものと思われ、なかなか興味深いものだった。公認リストをこれらと読み合わせると、候補選定の真相が見えてくる。
まず驚いたのは、安全保障政策と憲法改正を踏み絵にした「政策協定」でふるいにかけたにもかかわらず、野党共闘派が残っていることだ。日本共産党と野党共闘を組むことに賛成していたということは、安保法制に反対ということ。小池知事の「排除の論理」どおりに選定したのであれば、希望の党に参加できるわけがない。
ピースボートの元事務局長も公認
ところが、「排除リスト」に名前が掲載されながらも、櫛淵(くしぶち)万里元衆議院議員は希望の党の第1次公認を得た。櫛淵氏は辻元清美前衆議院議員が設立したピースボートの元事務局長。辻元氏は希望の党への参加を拒否し、立憲民主党に参加した。櫛淵氏もリベラル派で知られているが、希望の党の設立メンバーである細野豪志元環境相に近いために残ったと思われる。
「身内」に対する優遇は露骨だ。たとえば東京7区に出馬予定の荒木章博氏。熊本県議の荒木氏は荒木千陽(ちはる)都民ファーストの会代表の父親である。千陽氏の選挙区である中野区は東京7区に含まれる。いわば荒木氏は娘の地盤に降り立った落下傘候補といえるのだ。
しかも「内定リスト」の段階では荒木氏は熊本2区から出馬の予定だったが、希望の党が強くない熊本県では比例復活当選も望めない。そこで希望の党が強い東京で、比例復活を狙うことになった。東京7区は立憲民主党に参加した長妻昭元厚労相が圧倒的に強さを見せる選挙区。しかし、娘の"威光"でなんとか法定得票数を確保すれば復活当選の芽は残る。
ちなみに荒木氏は、スポーツ協会会長だった1993年に女性とトラブルを起こしたことがあったようだ。熊本地裁は1997年、荒木氏に対して300万円の賠償金を当該女性に支払う判決を下している。
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