本屋の生きる道「本を置きすぎちゃダメだ」 アマゾン全盛時代の「本屋」の生き方<後編>
街の本屋は5分で世界一周が楽しめる
成毛:参加者からの事前の質問に「書店が飲食可としてしまうと漫画喫茶のようにはならないのか?」というものがありましたが、お2人の話を聞くと、全然そうじゃないですね。人と人が集まってアイデアをシェアするとか、仲間づくりする、そんなことができるというスペースなのでしょう。だとすると、「意識が高い人」だけが集まる場になってしまう懸念はないんでしょうか。
嶋:そうはしたくないですね。僕は「街の本屋」をやりたいと思っています。誰もが欲しい本を置き、世界を構成する要素を全部入れています。歴史・宇宙・ジャズ・野球・ガーデンニングの本があって、ビルドゥングスロマン(教養小説)や、ドロドロの恋愛小説もある。さらに地理や、言葉の本まで入れてます。小さい本屋は5分で回ることができて、いろんなものが一気に見えるのがすてきだと。簡単に言えば5分で世界一周できるみたいなことです。
僕の本屋づくりの先輩が京都・恵文社店長だった堀部篤史さん(現在は独立して誠光社を丸太町にオープン)。堀部さんに棚作りについて聞きました。答えは、「1人の本好きが棚を作るとよくない」。では、どう作っているかというと、5人で本棚をいじる。ジャンルごとの担当分けではなく全部のスペースを5人でいじって、補塡する。朝、堀部さんが本を足したら、夕方には違う人がどんどん足していじっていく。5人が選書して、寄ってたかって本棚をいじると、結構いろんな人が欲しいものが見つかるようになると。その教えはありがたかったです。
成毛:店長を除くと、みんなバイトだったりするんですよね、訓練を受けた司書でもなければ、キュレーターでもなくて、そのほうが面白い棚ができるかもしれないですね。水代さんはどうやって作るんですか。
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