日本橋浜町においしい店が集まり始めた理由

やり手プロデューサーが「町おこし」

「浜町かねこ」をはじめ、安くておいしい店が集まる浜町

最近、“通(つう)”の間で人気が高まりつつある場所がある。中央区日本橋の一隅を占める浜町だ。浜町と言えば「明治座」で知られるが、繁華街としては隣町の人形町のほうがメジャーである。にもかかわらず、浜町がひそかな人気を集めている理由は、ここ1年で、安くて抜群においしい店がポツポツでき始めたことだ。

ミシュランに選ばれたそば屋

そのひとつが、そば屋「浜町かねこ」。11月29日に発表されたミシュランガイド東京2017において、新たに「ビブグルマン」に選ばれた。ビブグルマンはよく言う「一つ星」などの星つきとは異なるカテゴリーで、5000円以下で食べられる店が対象となる。同店の店主はミシュラン一つ星の神楽坂「蕎楽亭(きょうらくてい)」で10年ほど勤め、2015年8月にこの店をオープンしたばかりだという。

讃岐うどん「谷や 和」

かねこのはす向かいに店を構える讃岐うどん「谷や 和(かず)」は、朝5時から6時間かけて足踏み、手打ちで打った生地が評判の、うどんと小料理の店。水天宮前「谷や」の2号店として2016年2月に開店した。

歩いて数分という場所にある「富士屋本店 日本橋浜町」は、いまや伝説となっている「三軒茶屋富士屋本店」が移転したものだが、渋谷桜丘町に同じ立ち飲みスタイルのお店が3店舗ある。そのすべてに「富士屋本店」の名を冠しているが、店舗ごとに形態が異なり、浜町の店舗は1階がスタンディングバー、2階がテーブル席の創作ビストロだ。夜のみの営業ということもあり、いつ行っても満席という超人気店である。こちらは、2016年3月にオープンした。

この3店舗が建つのは水天宮前、浜町、人形町の地下鉄駅いずれからも徒歩10分程度と、やや離れている。複合ビルが数棟あるほかは住宅やオフィスビルという、どちらかと言えば静かな界隈だ。その中に、徒歩圏内で、それぞれタイプも価格帯も異なる評判店が集まっているわけである。これが偶然のわけはない。

陰の仕掛人となったのは、一帯に地所を所有する安田不動産だ。いわゆる「再開発の一環としての店舗誘致」なのだが、その表現では少々味気ない。

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