巨大ホテルが「不動産事業」を売却するワケ ヒルトンやアコーに続いてウィンダムも

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米マリオット・インターナショナルは同業の米スターウッド・ホテルズ&リゾーツを2016年9月に買収。世界のホテル業界に再編の波が押し寄せている(写真:REUTERS/Mario Anzuoni)

グローバル展開する大手ホテル会社による不動産事業の分社化が加速している。

この8月、米大手ウィンダムは自社保有する世界最大規模のタイムシェア事業会社であるウィンダム・バケーション・オーナーシップ(リゾートホテルの共有サービス)を分社化すると発表した。

さかのぼれば、2016年2月に米ヒルトン・ワールドワイドは不動産投資信託(REIT)を分社化し、自社が所有するホテルを譲渡することを表明。同時に、グループ内のタイムシェア事業であるヒルトン・グランド・バケーションクラブ(HGVC)の分社化も公表した。

2017年1月には、仏大手ホテル会社アコーホテルズもグループ内のホテル不動産事業会社であるホテルインベスト(HotelInvest)を分社化すると発表している。

金融緩和による不動産高騰が後押し

大手ホテル会社の不動産事業の分社化は、世界最大手米マリオット・インターナショナルが1993年に自社が運営するホテルの所有会社であるホスト・マリオット(2005年にホスト・ホテルズ&リゾーツに社名変更)を分社化したことが端緒である。

昨年来のヒルトン、アコー、ウィンダムの動きは、潤沢な投資需要を背景に、世界の有力ホテル会社がさらなる成長に向け、マリオットに続いて満を持して分社化に舵を切ったものといえる。

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